基本は劇場公開時の感想ですが、2023年1月エクステンデッド・バージョンも鑑賞したため最後に追記。
前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』 (ほんとにこの邦題がキライ) ラストで今シリーズが『ジュラシック・ワールド』である理由が明かされた衝撃から4年。
字幕で鑑賞したので前作みたいに説明が省かれてるところがあるかも知れないけどネタバレありな感想を。
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 4K Ultra HD+ブルーレイ[4K ULTRA HD + Blu-ray]
ストーリー
〈ジュラシック・ワールド〉のあった島、イスラ・ヌブラルが火山の大噴火で壊滅、救出された恐竜たちは、世界中へと放たれてしまった。
あれから4年、人類はいまだ恐竜との安全な共生の道を見出せずにいる。恐竜の保護活動を続けるオーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、人里離れた山小屋で暮らしていた。そこで二人が守っているのは、14歳になったメイジー(イザベラ・サーモン)、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女だ。
ある日、オーウェンは子供を連れたブルーと再会する。ところが、何者かによって、ブルーの子供が誘拐される。オーウェンはブルーに「俺が取り戻してやる」と約束し、クレアと共に救出へ向かう。
一方、サトラー博士(ローラ・ダーン)は、世界各地から恐竜を集めて研究をしているバイオテクノロジー企業の巨人バイオシンをある目的から追っていた。そこへグラント博士(サム・ニール)も駆けつけ、マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)に協力を求める。
人類と恐竜の共存の前に立ちはだかる、バイオシンの恐るべき計画とはー?
オーウェンとクレア、そして3人の博士は大切な命とこの世界の未来を守ることが出来るのか?
感想
何も考えずに見ると楽しめるアクション映画かなとは思うけど、続編と期待していくとう~ん...と感じざるおえないかなと思ってしまう今作。
オーウェンやクレアのワールド出演メンバーはメイジーとブルーの子供がさらわれた話を軸に、サトラー博士やグラント博士・マルコム博士のパーク出演メンバーは巨大イナゴを軸に話が進んでいくのが中盤までのストーリー。
後半ではそれぞれ裏でバイオシン社が関わっており、バイオシン社が管理する施設「バイオシン・サンクチュアリ」がストーリーのメイン舞台でいつも通りの箱庭恐竜パニックへ。
話の舞台が前作ラストから続く恐竜が放たれた後の世界は収集がつけられないからしょうがないとはいえ、肉食恐竜はほぼ収容され野生に残るほとんどが草食恐竜で、しかもそのほとんどがロックウッド公園内に留まってるというがっかり展開だけで終わり()
せっかくオーウェン&ブルーコンビの対になるサントスがいるのにブルーは子供がさらわれる以外とくに出番もなしで、そのサントスも深掘りされるわけでもなくマルタ島の途中でいなくなってしまう始末。
パーク出演メンバー3人が出てくれるのは嬉しいけどやっぱり合流してからの合計人数が多すぎた。
ギガントサウルスに襲われても揃ってぞろぞろ逃げるし、メンバーに脱落者がないのがわかってるからギリギリな緊迫感も出ない。
そしてちょくちょく出てくる巨大イナゴ。
確かに現実でも2020年に発生した蝗害でアフリカや中東・アジアでも被害が大きく出てるので、あんな巨大イナゴが出現すれば大問題ではあるけどこっちとしては「ジュラシック・ワールド」を見にきてるわけです。
シリーズ集大成と銘打って恐竜よりイナゴ見せられるとそりゃガッカリ感も出てくる。
メイジーも前作ラストで恐竜を世界に解き放ったこともとくに気を止めることもなく、ストーリー中盤ではあのポーズさせたいがためだけに急に飛び出してくるし、ウー博士はちょろっと悩んだかと思えばさらっと流されて許される。
極めつけはさんざん恐竜に襲われた後に、最後とってつけたかのように恐竜との共存もできるって言い出すけどとてもそう思えずに終わるという。
そもそもストーリーにNetflix『ジュラシック・ワールド/サバイバル・キャンプ Season4・5』に出てきた設定が入って進んでいくので、恐竜を操る謎技術やバイオシン社と唐突に登場してくるルイス・ドジスン、そしてその部屋に『ジュラシック・パーク』でネドリーが紛失したはずのシェービングクリーム缶があった理由なども説明無しなんで知らない人はポカーンと置いてけぼり。 (ちなみにわたしはNetflix『ジュラシック・ワールド/サバイバルキャンプ』も全シーズン視聴済み)
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最後に
今作が『ジュラシック・パーク』から続くシリーズがラストと謳ってるけどまた新たなシリーズがつくられるでしょう。
やっぱり動く恐竜は楽しいしそれも期待しときます。
前作ラストを考えるともっとスケールの大きいストーリーになるかと思いきや、まさかこんな小粒な展開になるとは思わなかったな〜
【追記】エクステンデッド・バージョンを鑑賞
14分の映像が追加されたエクステンデッド・バージョンをBD盤日本語吹替で鑑賞。
追加されたシーンも冒頭に『プロローグ』が追加、本編ラストの「バイオシン・サンクチュアリ」からヘリで脱出した後のシーンが劇場公開時のぶつ切り駆け足で終わった流れよりも一つ一つのシーンが長く丁寧になっている?くらいしか違いがわからなかったです。
ただ冒頭に『プロローグ』が追加されたことにより本編ラストでのティラノサウルスとギガントサウルスの対決にも意味が出てきたり、ラストシーンの流れがゆったりになったからか、公開時に字幕で鑑賞した時に感じた「恐竜との共存はできるはず」という楽観的な希望よりも他の動物と同じように人間もその一つとして「恐竜とも共生せざるおえない」というある種の諦めみたいに感じれてこっちのほうがまだ納得感はあった。
公開後、監督がインタヴューで答えてたけど今回BDに収録されたエクステンデッド・バージョンが完成品で、そのままだと上映時間が長すぎるから商業的に時間をもう少し短くしろって配給会社が言うのはわからんでもないけど、それでストーリーを台無しにしてたら元も子もない。
あとはヘリの中で恐竜を操る技術をラムジーがサトリー博士とグラント博士に説明しているシーンがあったのに気付いたりとやっぱり字幕・吹替両方で見ないとわからんなと思ったしだいです。
恐竜が放たれた後の世界を味わいたい人は『Battle at Big Rock』をぜひ!
前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のJ・A・バヨナが監督の短編作品で、『炎の王国』後に世界に恐竜が入り込んできた弊害を存分に味わえます。
こちらはYouTubeだと英語版だけですがBD盤にはちゃんと吹替でも収録されてます。