【感想】ツイスターズ|ディザスター映画の皮を被った恋愛映画

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2024年8月1日に日本で公開された映画『ツイスターズ(原題:Twisters

監督はリー・アイザック・チョン、出演はデイジー・エドガー=ジョーンズ、グレン・パウエル 他。

1996年の『ツイスター』の続編ということで、前作のファンとして楽しみにしていた本作。

Netflixで視聴したので感想でも。

個人的には「ディザスター映画の皮を被った恋愛映画」と感じました。

ツイスターズ

 

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ストーリー

 

世界規模の異常気象が起こる中、アメリカ・オクラホマ州で、富士山より高く、新幹線より早い、竜巻モンスター<ツイスターズ>が群れをなして発生する。

竜巻にトラウマを抱えた気象学の天才のケイトや竜巻チェイサーのタイラーなど知識も性格もバラバラな寄せ集めチームが、前代未聞の“竜巻破壊計画”を企てる。

引用:Amazon Prime Video ツイスターズ より

 

感想

前作『ツイスター』との違い

前作『ツイスター』は、幼い頃に竜巻で家族を失った主人公が、竜巻被害を防ぐために観測に挑むという、より災害対策やストームチェイスそのものに焦点が当たっていた印象です。

それに対して今作は、過去の竜巻調査で辛い経験をした主人公ケイトが、旧友や人気の竜巻ハンターと出会い、竜巻を通して自身の過去のトラウマや人間関係と向き合っていく、という人間ドラマにより重きが置かれているように感じました。

特に恋愛要素が多めに描かれている点は、前作とはずいぶんと毛色が違うな、と感じる部分でした。

ツイスター(字幕版)

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魅力的だったキャラクターと会話

今作で特に印象に残ったのは、主人公ケイトとタイラーのやり取りです。

二人の会話は、どこか洗練されたテンポの良さやスタイリッシュさを感じさせるものでしたが、恋愛の駆け引きが見え隠れするにつれて、見ているこちらが少しまどろっこしさを覚える場面もありました。

ただ、恋愛的な要素がありつつもがっつりとキスシーンがあるとかではなく、プラトニックな関係性が多く描かれていたため、変にストーリーがそちらに引きずられすぎないところに好感が持てました。

 

自然への向き合い方への「違和感」

ストーリーのテーマやキャラクター描写で考えさせられたのは、自然、特に竜巻への向き合い方です。

劇中で「台風を手懐ける」といった趣旨のセリフがあったのですが、これには少し違和感を覚えました。

もちろん吹き替えのニュアンスもあるかもしれませんが、自然の圧倒的な力に対して「手懐ける」という考え方は、やや傲慢に聞こえてしまったのです。

過去に竜巻で大切な人を亡くしている主人公だからこそ、自然への畏敬の念や謙虚さがあるべきでは?と感じてしまい、その点でキャラクターの「進歩がない」ように見えてしまったのは少し残念でした。

自然災害に対する防災はできても、手懐けることはできない、というのが現実だと思います。

 

圧巻の竜巻描写

『ツイスターズ』というタイトル通り、竜巻の映像はやはり迫力がありました。

最新のVFXで描かれる竜巻は、その巨大さ、破壊力ともに凄まじかったです。

特にクライマックスの竜巻は、製油所を巻き込みながらさらに巨大化し、まるで巨大なモンスターが襲ってくるかのようで、まさに圧巻の一言です。

 

最後に

全体を通しての感想としては、飛び抜けて「傑作だ!」と叫びたくなるほどではありませんが、ストーリー自体はしっかりとまとまっており、最後まで飽きずに面白く見ることができました。

前作とはアプローチが異なるものの、現代の技術で描かれる竜巻の脅威と、その中で葛藤し成長しようとする人間ドラマが見どころだと感じます。

前作ファンとしては比較して語りたくなるところはありますが、これはこれで一つの作品として十分に楽しめる内容でした。

災害スペクタクルと人間ドラマ、どちらも楽しめる方にはおすすめできる作品です。