【感想】大怪獣のあとしまつ|役者陣と特撮シーンが良いだけ

2022年2月に公開された『大怪獣のあとしまつ』

公開されるやいなや「令和のデビルマン」などと呼ばれ、不評につぐ不評で話題になりました。

そんな今作の監督・脚本は三木聡で、過去に手掛けた作品と比べてもなかなかキツイなと感じました(ちなみに『時効警察』の1・2は大好きです)

2022年12月にはAmazon Prime Video会員向けに配信が開始されたので、ネタバレあり感想でも。

 

大怪獣のあとしまつ

大怪獣のあとしまつ

 

 

ストーリー

 

人類を未曽有の恐怖に陥れた巨大怪獣が、ある日突然、死んだ。

国民が歓喜に沸き、安堵に浸る一方で、残された巨大な死体は徐々に腐敗・膨張を進めていた。

爆発すれば国家崩壊。終焉へのカウントダウンは始まった。

絶望的な時間との闘いの中、国民の運命を懸けて死体処理を任されたのは、警察でも軍でもなく、3年前に突然姿を消した過去をもつ1人の男…。

彼に託された<使命>とは一体?果たして、爆発を阻止することができるのか――!?

前代未聞の緊急事態を前に立ち上がった、ある男の”極秘ミッション”を巡る空想特撮エンターテイメントが、今、動き出す。

prime video 大怪獣のあとしまつ より

 

設定はいいのに

ギレルモ・デル・トロ監督の『パシフィック・リム』や、ジャンプ+で連載中の『怪獣8号』など、怪獣を倒した後の死体処理については面白くなる設定の一つで、この作品ではこの設定がうまく生かされず、なぜこうなった?と思わざるおえないできに。

 

気になったところ

  • 政治家のシーンになると急に謎のノリが連発
  • ギャグの数々はただただ下品
  • 『シン・ゴジラ』や『パシフィック・リム』をバカにするようなシーン
  • 怪獣の名付けシーンも、単にそのシーンをしたいがためだけの内容
  • 特に被害も出るわけでもなく下ネタを使いたいだけのきのこ
  • 恋愛要素として登場する三角関係が中途半端
  • オチの納得感

 

あげれば気になるところばっかり。

ギャグシーンになると『時効警察』のころにあったような、よくわからないけどおもしろいというような雰囲気やセンスで笑わせるところもなく、終始下品なものばかり。

『シン・ゴジラ』や『パシフィック・リム』といった近年のヒット作品をパロディで入れてるように見えるけど、単に作品をバカにしてるだけで面白みもなし。

怪獣の名付けシーンもそりゃあれをやりたくなるのはわかるけど、ほんとにそれをやっただけ。

そもそも設定が倒されたあとの壊獣はどうなる?と特撮ヒーローや怪獣映画では必ず出てくる疑問や間に起こる出来事をテーマにしてるのにストーリー中「デウス・エクス・マキナ」とちょこちょこ振ってはいるものの、ヒーローがやればオッケーじゃんをオチに持ってきてそのオチを納得させるストーリーにもなっていない。

 

よかったところ

  • 冒頭の世界観を説明する数分
  • 怪獣のCGやダムの爆破準備などの特撮シーン
  • 謎に豪華な役者陣

 

撮影中、新型コロナ(COVID-19)の影響で中断されたこともあり、その影響も取り入れストーリーが展開される冒頭の説明シーンは期待感も高めほんとに良かったです。

山田涼介など出演してる役者陣も演技はよかったし、松竹・東映が関わってるからか特撮シーンのデキもよく主人公アラタが乗るバイクなど美術もかっこよかったです。

ただこの映画よかったところがほんとに上にあげたとこぐらいで...

あとなぜか妙に印象に残る棒読みスナイパー。

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公開後のインタビュー

公開後ちょっとした炎上を受け、オリコンニュースで公開されたプロデューサーのインタビューがまたなかなかの内容。

www.oricon.co.jp

 

特撮部分やギャグ要素に反応が偏っている印象を受け、伝えたかった三角関係の部分が伝わっておらず、そこが予想外でした

 

 

ラストの巨大ヒーローが全てを解決するというオチ、これは結局、「神風が吹かないと解決しない」という、ごく単純な政治風刺なのですが、これがほとんど通じておらず驚きました

 

 

本作に対する真の評価はこれからだと考えております。公開時の騒動で我々が仕掛けた多くの要素が見落とされたままだからです

 

と、まあ言葉をなくすような内容の数々が語られてますが、他の方の感想を見ても明らかで三角関係は伝わってると思うし、うすっぺらーな政治風刺も伝わった上での作品の評価だと思うんでこのインタビューは自ら薪を焚べに行く残念な印象しか受けない。

 

最後に

映画『大怪獣のあとしまつ』本予告(60秒)

映画『大怪獣のあとしまつ』本予告(60秒)2022年2月4日(金)全国ロードショー - YouTube

予告を観て興味があったり時間に余裕があるのなら怖いものみたさで一度見てみてはどうでしょうか。

ほんと「あとしまつ」は大変ですねぇ