前作『ゴジラ対メカゴジラ』の続編で本多猪四郎が監督のゴジラシリーズ第15作、1975年3月15日公開の『メカゴジラの逆襲』
今作が興行的に失敗に終わってしまったため、1954年から続いた「昭和ゴジラ」シリーズもここで一旦終了することに。
ただ失敗に終わったとはいえ内容は面白く「昭和ゴジラ」の集大成と言える作品になっていました。
前作で大暴れしたメカゴジラの姿に見事にヤラレ、その勢いのまま続けて鑑賞したのでネタバレありの感想でも。
ストーリー
メカゴジラをゴジラに倒されたブラックホール第三惑星人だったが、地球侵略を諦めてはいなかった。
第三惑星人は、学会を追われた異端の真船博士とその娘・桂と協力し、メカゴジラ第2号を完成させる。
さらにチタノザウルスを怪獣コントロールシステムで操り、パワーアップしたメカゴジラと共にゴジラを追い詰めていく。
ゴジラ・ストア 作品一覧『メカゴジラの逆襲』より
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感想
前作『ゴジラ対メカゴジラ』の続編にはなりますが、設定として続けて出てくるのはメカゴジラとブラックホール第3惑星人のみ。
前作ではなかなかに辛かった人間パートも今作は真船親子を中心に大人向け作品に回帰しており非常に面白くなっていたので満足でした。
ストーリーはメカゴジラの残骸の調査中に潜水艇あかつき号がチタノザウルスに襲われる場面から始まります。
ところが、ここから上映時間の半分が過ぎても、ひたすらチタノザウルスをメインとした人間パートが続き、ゴジラのゴの字も出てこない展開に。
このゴジラの扱いに少し不満も感じつつも、真船博士の復讐に燃えるマッドサイエンティストぶりや、その娘である桂のミステリアスさが物語を盛り上げていく。
実はその桂も実験中に事故死しており、その直後にブラックホール第3惑星人が現れサイボーグに改造手術を施されていました。
直接は言及されていないものの、事故直後に都合よく現れたことからブラックホール第3惑星人が仕組んでいたんじゃないかと思ってしまう状況。
物語中には、恐竜との違いを強調するために「恐龍(きょう↑ りゅう↓)」という発音が使われたり、チタノザウルスが出てくるたびに縮尺がおかしかったりと気になるところがちょこちょこあるものの一方で、見どころも多くあります。
海から上がったチタノザウルスや修理されてるメカゴジラを下から煽って撮影しており巨大さを堪能できました。
そして、上映時間が残すところ30分近くになった頃、やっとゴジラが登場するも桂がインターポール村越に打たれ負傷したことによりチタノザウルスも撤退と2分ないくらいの出番。
「これからは桂さんがメカゴジラの基地になる」と修理とかどうするつもりなんやとツッコんでしまうおかしなセリフが気になりつつも、新たにコントロール装置を組み込まれる桂の改造シーン(ゴジラシリーズに珍しく作り物ながら女性の胸が出ている)やブラックホール第3惑星人の基地を爆破するところから最後の見せ場へ。
メカゴジラ2の光線・フィンガーミサイルでの前作を超えるような爆発の連続!
チタノザウルスが尻尾で起こす風により街を壊していく怪獣2体による一連の都市破壊シーンが物語のクライマックスを盛り上げていきます。
ゴジラとの戦闘も満足できるものの、メカゴジラは基本的に後方支援に徹して攻撃しているので、前作の活躍を期待した人には少し物足りなさを感じるかも。
最後に、夕日の海に帰っていくゴジラの姿は、シリーズ終了と決めて作成されていない作品にもかかわらず、哀愁を帯びた寂しさを感じる背中になっていました。
最後に
上映時間83分の内、20分弱しかゴジラが出てこないとゴジラの扱いに物足りなさを感じつつも、物語は大人向けに回帰し前作よりも格段に面白くなっていた作品でした。
物語の中では、終始コントロールされてはいるもののチタノザウルスが重要な役割を果たしており、そこがちゃんと弱点に設定されていたりと細かな設定にも力が入っていて、さながらこちらが主人公の映画のようでした。