2022年9月16日に公開された映画『沈黙のパレード』
『容疑者Xの献身 (2008)』『真夏の方程式 (2013)』に続く映画ガリレオシリーズの第3作目で、『容疑者Xの献身』以来14年ぶりに柴咲コウが演じる内海薫が出演することでも話題になった今作。
原作は東野圭吾の同名小説で、これまでのシリーズ通り監督は西谷弘、脚本は福田靖です。
主題歌はKOH+で『恋の魔力』以来9年ぶりの新曲『ヒトツボシ』
福山雅治演じる湯川学が、殺人事件の真相を解明していくミステリー・ヒューマンドラマですね。
原作小説は未読ですが、今回WOWOWで視聴したのでネタバレありの感想でも。
ストーリー
天才物理学者・湯川学の元に、警視庁捜査一課の刑事・内海薫が相談に訪れる。
行方不明になっていた女子学生が、数年後に遺体となって発見された。
内海によると容疑者は、湯川の親友でもある先輩刑事・草薙俊平がかつて担当した少女殺害事件で、完全黙秘をつらぬき、無罪となった男・蓮沼寛一。
蓮沼は今回も同様に完全黙秘を遂行し、証拠不十分で釈放され、女子学生の住んでいた町に戻って来た。
町全体を覆う憎悪の空気…。
そして、夏祭りのパレード当日、事件が起こる。
蓮沼が殺された。
女子学生を愛していた、家族、仲間、恋人…全員に動機があると同時に、全員にアリバイがあった。
そして、全員が沈黙する。
湯川、内海、草薙にまたもふりかかる、超難問...!
果たして、湯川は【沈黙】に隠された【真実】を解き明かせるのか...!?
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感想
個人的には前2作には及ばなかったものの、今作もおもしろかったですね。
ストーリーはパレード当日に蓮沼の遺体が見つかったことで大きく進んでいきます。
殺人の方法は早い段階で明かされるわけですが、ここからが今作の見どころ。
豪華なキャスト陣
TVシリーズからおなじみの湯川学 (福山雅治)、内海薫 (柴咲コウ)、草薙俊平 (北村一輝)の3人に加え、蓮沼寛一 (村上淳)、宮沢麻耶 (吉田羊)、新倉留美 (檀れい)、新倉直紀 (椎名桔平)と他の出演者もかなり豪華なメンバー。
並木沙織 (川床明日香)の父 並木祐太郎の飯尾和樹が娘を失った父親役を熱演していましたし、ラストの新倉直紀と草薙の取調室で対峙するシーンも良かったです。
わざわざなみきやに現れる蓮沼の態度は見てるこちらまで腹立たしい!
沈黙罪はあるんですか?
登場人物みんなが沙織のことを大事に思っていたことがストーリー中ずっと語られていたので、蓮沼への憎悪が痛いほど伝わりました。
宮沢麻耶が警察へ「沈黙罪はあるんですか?」と言いたくなってしまうのも納得してしまいますし、関係者が沈黙を守るなか徐々に明かされていく事件の真相は予想がつかない展開で見入ってしまいました。
ただ、みんなが沈黙を守ってると言うものの、沙織の彼氏 高垣智也 (岡山天音)が一番に口を割ったり、デビューの話も出てるなか沙織を妊娠させたりと、そもそもこいつが今回一番の原因やったんじゃないかとしか思わなかったのが...
事件の真相
公園で沙織と口論になり、留美が突き飛ばしたことで頭部を強打し倒れてしまう。
そのときに現場に落ちたバレッタを留美は保管しており、そのバレッタに血液がついていないことから、蓮沼が留美を脅迫するため連れ去り、殺害したということが沙織の失踪事件の真相になっていました。
新倉直紀が自首してからは新倉夫婦がストーリーのメインになってしまい、並木家や常連客はほとんど触れられないため事件の真相をどう受け入れ、このあとを過ごしたのかその部分をもう少し描いてほしかったですね。
沙織の歌
結局、沙織の『ジュピター』は誰が歌っていたのでしょう?この記事からすると本人なのかな...?
女子高生の佐織は歌手を目指していたが、行方不明になる。映画は佐織が秋祭りで開催されたのど自慢大会に出場して平原綾香の「Jupiter(English Version)」を歌うシーンから始まる。このシーンに向けて川床は、約3か月間歌のレッスンを受けたという。
最後に
ガリレオが始まった頃に比べると夏美とパレードを楽しんでいたりと湯川もだいぶ丸くなりましたね。
沙織が付けていたバレッタ同様、劇中に現れる蝶が沙織を表していたりと細かなところもよかったです。
『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』には劣るものの楽しめた映画でした。