【感想】バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版 (2022)|なんだか惜しい作品に

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2022年6月17日に公開された『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』

2019年にフジテレビで放送されたドラマ『シャーロック』の続編であり、タイトル通りコナン・ドイルの小説『バスカヴィル家の犬』を原作とした作品です。

ドラマは見ていなかったので、ディーン・フジオカ&岩田剛典コンビの『シャーロック』は今回がお初。

原作『バスカヴィル家の犬』の要素が散りばめられてはいるものの、なんか惜しい作品に感じました。

WOWOWで視聴したのでネタバレありの感想でも。

 

「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」オリジナル・サウンドトラック

「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」オリジナル・サウンドトラック

 

 

ストーリー

 

瀬戸内海に浮かぶ離島・霞島。閉ざされたこの島を代々支配してきた日本有数の資産家一族・蓮壁家の当主・蓮壁千鶴男(西村まさ彦)が、莫大な遺産を遺して、謎の変死を遂げる。

千鶴男は死の直前、娘の誘拐未遂事件の犯人捜索を、犯罪捜査コンサルタントの誉獅子雄(ディーン・フジオカ)の助手を務める若宮潤一(岩田剛典)に依頼していた。

千鶴男の遺体に残された動物に噛まれたような傷跡が気になった獅子雄は若宮と共に、事件の真相を探るため、霞島に降り立つ。

そこで二人を待ち受けていたのは、異様な佇まいの洋館と、奇妙で華麗な一族と関係者の面々。

やがて島に伝わる魔犬の呪いが囁かれると、新たな事件が連鎖し、一人、また一人と消えてゆく。

底なし沼のような罠におちいる若宮。

謎解きを後悔する獅子雄。

これは開けてはいけない“パンドラの箱”だったのか?

Prime Video バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版 より

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感想

リモートで過去の誘拐事件の相談中に、千鶴男(ちづお)が謎の死を遂げる所からストーリーが始まり、テンポよく事件も起きて気は引くものの盛り上がる場面は少なめ。

そして残り1時間ほどになった中盤、若宮が黒犬に襲われ逃げ込んだ廃鉱の奥で獅子雄と再開、急に事件の真相を語り始めストーリーが動いていきました。

なんか既視感があるなーと鑑賞したあと感じたので調べてみると、西谷弘監督(『容疑者Xの献身』など)でした。

 

とにかく設定に引っかかるところが多い

獅子雄が事件の真相を語っていくものの、なーんかひっかかるところが多い作品でした。

例えば、舞台が瀬戸内海の島なのに長男の千里(せんり)はあの状態で凍死するか?とか、離島なのに街中もやたら栄えていて、ショッピングモールもあったりと島を舞台にしたわりに細かな描写が不自然で違和感を感じましたね。

また、使用人の馬場が亡くなっている場面で、あそこまで取り乱す獅子雄の理由も理解し難いです。

さらに、紅(べに)が実は誘拐してきた碧海(あおみ)だと千鶴男にバレた後、妻の依羅(いら)は千鶴男に自由を奪われたと説明されてたけど、何をされてなぜ車椅子に乗るようになったのかも謎。

そして、ちょっとしたミスリード要因ではあるものの、ほぼ最後の地震オチのためだけにいる捨井(すてい)

 

映像も役者陣も豪華

誘拐された碧海の母親に広末涼子。蓮壁家は西村まさ彦、稲森いずみ、新木優子、村上虹郎、使用人に椎名桔平と過去に家庭教師をしていた捨井は小泉孝太郎となかなか豪華。

新木優子も綺麗やし、ディーン・フジオカもスタイルが際立ってました。

個人的にはロケ地になった愛媛県各地や萬翠荘(ばんすいそう)も、とてもきれいに撮影されていたので行ってみたくなりましたね。

 

原作『バスカヴィル家の犬』の要素

蓮壁家=バスカヴィル家や捨井准教授=ステープルトンなど各登場人物の名前と原作に近しいような関係性(続柄は変わっているものの)にかけていたり、獅子雄と若宮がばらばらに事件と向き合うことや、靴がなくなったり脅迫状が届くなどストーリーの大部分はかなり原作要素を大事にしているのが伝わる作品でした。

 

最後に

こうして感想を書いてるとひっかかるところが多すぎるし、ミステリー作品を期待してると微妙かなと思いましたが作品全体としては悪くはないし、つまらないわけじゃないので、もう少し設定を詰めていれば同監督作品の『容疑者Xの献身』みたいな傑作になったんじゃないかなと思った作品でした。

ちなみに冒頭のシーンからやたら声がちっちゃくて、とにかくセリフが聴き取りづらかったです...