2019年10月にNHK BSプレミアム・BS 4Kで放送された『八つ墓村』。
横溝正史の同名推理小説を原作とした作品で、金田一耕助を吉岡秀隆、辰弥を村上虹郎が演じた今作。
原作未読、過去の映像化作品も見たことがなかったので今回が初『八つ墓村』になりました。
2023年8・9月のNHK版 金田一シリーズの再放送で視聴したため、ネタバレありの感想でも。
ストーリー
大量殺人の過去を持つ村に名家の跡取りとして招かれた辰弥(村上虹郎)。
それが悲劇の発端だった。
祖父、異母兄…次々殺害される関係者。
辰弥の異母姉の春代(蓮佛美沙子)、分限者(國村隼)に身を寄せる美也子(真木よう子)は、苦しむ辰弥に思慕を抱く。
だが殺人はとどまるところを知らない。
やがて辰也の秘密を探り当てた耕助(吉岡秀隆)だったが、当の辰弥は、たたりを恐れる村人によって鍾乳洞の奥に追い詰められていた。
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感想
今回初めて『八つ墓村』を見ましたが登場するキャラクターもそれぞれ個性的で、ロケ地の岡山の景色も作品に非常にマッチしていましたし、引っかかるところはあるもののストーリーも楽しめました。
今作の金田一耕助は他作品でもよくあるんですが(ミス・マープルとか)、事件を捜査しているわりに情報を村人に教えずで殺人をほぼ止められずの展開で出番も少なかったですね。
止められたのも8人目に当たる辰弥だけで、その辰弥のことも直接 金田一が止めたわけでもなく慎太郎が止めてましたし、美也子に致命傷を与えたのも典子で。
引っかかったところ
祟り祟りとしきりに言うわりに「八つ墓明神」と要蔵(音尾琢真)の事件は結びつきも薄く感じたり、いきなり祖父が目の前で死んだかと思えば村に着くと祟りだと罵られ周りの人間が信じられない状況になる中、辰弥が美也子のことをわりとすぐに信じていたのがちょっと引っかかりましたね。
視聴者目線では登場してから怪しさ満点で村での行動も引っかかるところばかり、まあ事件が起きる前から出会ってる&あの美貌ならしょうがないか。
ラストシーン
野村荘吉が金田一耕助に「なぜ人は愛を求めるんですかね?」と今回の事件を愛をテーマに問いかけ、電車での辰弥と典子の未来を感じさせるシーンで終わるのかと思いきやエンディング後、小竹が首を吊るシーンが始まりバッドエンド感もありで終わるのは衝撃でした。あれも新たな呪いなんじゃ...
他の気になったところを
・真木よう子のレトロスタイルが美しい。ただ前半のセリフの聞きづらさと発声になんか違和感が。後半 全てが明らかになってからの化けの皮が剥がれた感はよかった。フハハハハ
・春代がただただ不憫で典子は不思議っ子。典子は鍾乳洞に詳しくミスリードさせながらも普通にいい子で、ラスト電車内あんなけ小判が出てきたカバンの中身は一体ナニかな?
・父 吉蔵があんな事件を起こしたのになぜ鍾乳洞内に遺体があり屍蝋化して祀られてるのかは今作では語られずで謎。
・双子の大叔母 小梅・小竹のお茶のシーンも合わせて謎。
・辰弥が頑丈すぎ。追ってきた吉蔵のあのテンションでナタを切りつけられたら普通に死ぬでしょ。いくら慎太郎がきて止めたといえ、皮くらい剥がれてるのでは?
・そして切りつけた吉蔵は捕まったのか...?
最後に
過去に何度も映像化された作品で登場人数も多いストーリーですが、ストーリー自体はわかりやすく、さすがNHKというか映像も綺麗で見ごたえがありました。
今回を期に同じNHK版金田一シリーズや過去の映像化作品も見てみたくなりましたね。
NHKオンデマンドやDVDもあるので見る機会があるときはぜひ。