2023年9月7日にNetflixにて配信開始した『GAMERA -Rebirth- (ガメラ リバース)』
監督は瀬下寛之、脚本は猪原健太、瀬古浩司、山田哲弥、瀬下寛之。
2015年10月にガメラ生誕50周年記念としてショートムービー『GAMERA』が公開されたものの、作品としては2006年公開の映画『小さき勇者たち 〜ガメラ〜』以来17年ぶりとなる新作作品になります。
全話視聴したのでネタバレありの感想でも。
『GAMERA -Rebirth-』メインPV第二弾【2023年9月7日世界配信】 - YouTube
ストーリー
1989年の夏、東京に巨大な亀の怪獣が現れる。
その名はガメラ。
そしてその姿を、4人の子供たちが目撃していた。
ガメラは、次々と襲来して人間を捕食する巨大怪獣と、傷つきながらも戦ってゆく。
ギャオスやジグラなど、名作ガメラシリーズでおなじみの怪獣も登場する3DCGアニメシリーズ。
Netflix GAMERA -Rebirth- より
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感想
EPISODE 01 東京上空 / Above Tokyo
突如現れた飛行型生物ギャオスの群れが新宿を蹂躙する。
極東米軍でもギャオスを倒すことはできず、次々と撃墜されるF15。
次々と捕食される人々。
ボコ、ジョー、ジュンイチの3人は、彼らの貯めたお金を奪ったブロディに仕返しを計画していた。
しかし、対決に挑んだところで、ギャオスの攻撃に巻き込まれてしまう。
4人が小型のギャオスに捕食されようとした瞬間、巨大な存在が現れる。
それはカメの姿をした怪獣ガメラだった。
1話目の怪獣はギャオス
ストーリーは『小さき勇者たち 〜ガメラ〜』のようなジュブナイルものがメインになります。
ガメラと大・小ギャオスの戦闘はよく動いていてかっこいいですし、今作のアレンジされた怪獣のデザインもすごい良かったです。
子どもメインのストーリーながら、小ギャオスに人が襲われるシーンではポンポン腕を切られたり食べられたりと昭和ガメラリスペクトなのか結構グロめなシーンも多めでびっくりしました。
合間合間でギャオスをチラ見せしつつ興味を引かせてストーリーが進むのですが、1話では主人公の子ども4人の説明がメインになるのでやはり少し退屈に感じました。
まだ始まったばかりであれですがストーリーもまだそこまで面白くないので、話数を重ねるごとにどうなるかに期待。
EPISODE 02 地下水道 / Under Current
極東米軍福生基地の研究棟で、怪獣の卵が突如ふ化をした。
怪獣は下水道を通り、地下へと逃げ出してしまう。
怪獣脱走の情報を知ったボコたち4人は、自警団を結成し怪獣探しに乗り出す。
怪獣の掘ったらしい穴を見つけ、進む4人。
その頃、怪獣は共食いを重ねて巨大化していた。
ピンチを極東米軍に救われた4人が地上に出ると、ついに怪獣も地表へと姿を現す。
その名はジャイガー。
暴れるジャイガー目掛けて、ガメラが飛来する。
2話目の怪獣はジャイガー
昭和ガメラの敵怪獣の中ではひときわ強かった印象ですが、今作では尻尾の針で刺す攻撃のみで戦闘シーンは短くあっさりめ。まさかバニシングフィストで倒されるとは思いも寄りませんでしたが。
『ガメラ対大魔獣ジャイガー』では、人や物体の分子構造を破壊するマグネチューム光線や離れたものを吸い寄せるマグネチック吸盤、鼻の横にある角から唾液固形ミサイルの発射、首元からのジェット噴射し尻尾の針で指した先へ卵を生むなどやりたい放題だったので個人的には今作のジャイガーは少しがっかりでしたね。
ストーリーはブロディがメインの回でした。1話ではかなりひどかったブロディもボコたちと仲良くなるにつれ、完全にドラえもんのジャイアンポジでしたね。
2話でもユースタス財団の職員が小ジャイガーにドスドス刺され穴に引きずり込まれるゴア描写。
それにしても前日に隣町で怪獣が暴れて街もえらいことになってるのにボコの母親も子ども一人置いて仕事行ったりとえらいゆっくりしてるな〜
EPISODE 03 深く静かに潜航せよ / Run Silent, Run Deep
ユースタス財団のエージェント・タザキは、ボコたちに協力を求め、ボコたちは与那国島採掘基地へと高速船で向かうことになった。
移動中タザキは、ギャオスと接触した子供たちを乗せた船が怪獣ジグラによって襲撃されたことを知る。
怪獣たちは怪獣と接触した子供たちを狙っている。
財団の予測通り、ジグラは200ノットを超える高速でボコたちの船へと迫る。
ジグラと戦うガメラだったが、その猛攻に力尽き、海底へと沈んでいく……。
3話目の怪獣はジグラ
特徴的な鎌みたいなデザインの頭部は残しつつ、今作は細い体や脚と長い尻尾でさながら水中版ギャオスのようなデザインでこれまたクール。
海中で泳いでる姿はエイのようなシルエットにもなっており『ガメラ対深海怪獣ジグラ』よりかなりシャープです。
宇宙人設定は無くなったものの、海岸でガメラに動きを封じられ火焔弾で焼かれるという『ガメラ対深海怪獣ジグラ』と同じ倒され方でした。
ストーリーはジュンイチがメイン。実はジュンイチが女の子だったとわかりました。
潜水艦がメインでストーリーが進んだのは『ガメラ対深海怪獣ジグラ』でも舞台の一つになっていたためですね。
改めてオリリウムの存在や怪獣は特定の子ども達を狙っていること、ボコが怪獣と何かしらの反応が起きることなどが明かされました。
ジェームズ・タザキもなにか違和感を感じ始めているもののまだまだストーリーには謎が多いです。
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EPISODE 04 斬る / KILL
巨大な怪獣の死骸が眠る与那国島の採掘基地。
基地に到着したボコたちは、怪獣と接触した影響について検査を受ける。
なかなか家に戻れずイラつくジョーとボコは衝突。
ジョーは軟禁された部屋から、通風孔を使って抜け出そうとする。
部屋に残ったボコはブロディから、ジョーと友達になったきっかけを尋ねられる。
その時、島全体が大きく揺れる。
出現したのは、刀の頭を持つ怪獣ギロンだった。
ギロンは恐るべき破壊力で基地を蹂躙する。
4話目の怪獣はギロン
大胆な頭部のデザインが特徴のギロンですが今作ではよりスタイリッシュなデザインに。
怪獣ながら人工的なデザインを感じますし、あの奇妙な飛び上がって頭部で斬りかかる戦い方がより映えるようになっていました。
『ガメラ対大悪獣ギロン』では違和感バリバリだった手裏剣も今作では鱗を発射する形に変わっているので違和感がないですね。
ストーリーはジョーとボコがメイン。急にボコがナマイキになって違和感がありますがジョーとケンカさせるためにはしょうがないのか...
ガメラがボコたちを守ってくれていることへの確信を持つものの、より財団への疑念が深まる状況。
財団の基地地下にあるバイラスのミイラの存在やオリリウムの力により怪獣の死体が再生することなどが明かされました。
エピソードラストではオリリウムから謎の映像を受け取ったボコ達。
5話でついにストーリーが大きく動き出すようです。
EPISODE 05 月は無慈悲な夜の女王 / The Moon is a Harsh Mistress
採掘基地の最下層にいるボコたち。
死骸のバイラスの周囲には、オリリウムが散らばり青く輝いていた。
ボコがそれに触れた瞬間、4人の脳裏にある映像が映し出される。
それは10万年前に起きた、すべての始まりの出来事だった。
その真相に驚愕するボコたち。
ユースタス財団とは何者なのか。
怪獣とはなにか。
そしてガメラとは何か。
ギロンに破壊された採掘基地で、エミコは「ようやくすべてが揃う」とつぶやく。
そしてバイラスが復活する。
5話目の怪獣はバイラス
元々のデザインもイカみたいでしたが今作では完全にイカになっちゃいました!
『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』とは打って変わって、高出力のレーザービーム「ヘムデンの雷」や重力を制御して空を飛んだりとずいぶんと戦い方も変わりました。
しかも「黄金色の悪魔 (こがねいろのあくま)」なんて二つ名まで貰っちゃって特別扱い。
元のバイラスも地球を植民地にするために宇宙からやってきていたので、人類を減らして支配する今作のストーリーにぴったりのチョイスですね。
バイラスに捧げる生贄が入れられる檻の形も『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』からのオマージュですね。
ちなみに『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』ではその尖った頭部でガメラのお腹をブスブス突き刺していたものの、今回その役目は4話のギロンに譲っていました。
満を持して登場したもののちょっと戦闘はあっさりめでしたね。
ストーリーは一気に動きました!
オリリウムの映像から怪獣は古代人が人類を選別するために作られた存在だったことが判明。
ガメラもそのうちの一体だったものの計画に反対する古代人が奪い、なんとか計画を失敗させたのが今作の世界のようです。
ユースタス財団幹部の狙いも10万年前失敗した計画を再び実行し地球を支配するためでした。
それにしてもエミコの初っぱなからの豹変っぷりにびっくりしました。
4話までは子どもたちに危険がおよぶことを心配していたのかと思いきや、バイラスの生贄にするため生きていてもらわないとだめだから心配していたとは...
どんどん仲間を切り捨てて信頼をなくし、仲間から裏切られる悪役ムーブもフラグが立ちまくり。
今回の反逆計画は母親の復讐でもあったようですが、前回もガメラに阻止されているのにガメラは野放しでちょっと詰めが甘かったですね。
そういえば脱出ポッドでエラーが出るシーン、そりゃポッドの扉閉めてないからポッドが発射されないのは当たり前なのでは...?
EPISODE 06 幼年期の終り / Childhood's End
哀しみの淵に沈むボコたち。
瀕死のガメラ。
そして人類に迫る最大の危機。
「絶対にガメラを死なせてはならない」。
最後に残る希望、それは人と怪獣を繋ぐ絆——。
6話目の怪獣はエスギャオス
OP・ED映像からチラ見せされていた側頭部の大きなヒレが特徴的なギャオスのオリジナル変異種が今作最後の怪獣でした。
右目が2つあったり痩せてガリガリな歪な身体、ギャオスなのに空も飛べずで不完全さが目立つデザイン。
ガメラに管を刺しRNAウイルスを注入して弱らせていたものの、自衛隊と米軍の攻撃により隙ができたところ意識を取り戻したガメラの新技の回転斬り?によって倒されました。
それにしてもエスギャオスはどのタイミングでバイラスの身体の中に潜んでいたのか謎。
ガメラをやるからにはやっぱり復活シーンを入れたいのはわかるんですが、前回までがストーリーの山場になっていため個人的には6話は少し蛇足に感じ盛り上がりにかけた印象も。
今作はストーリーもそうですが、エスギャオスにジーダス要素があったりオリリウムで復活や子どものガメラが生まれたりと最終話は『小さき勇者たち 〜ガメラ〜』のオマージュを強く感じましたね。
エスギャオスとガメラまで地球侵略に使おうとエミコよりおばさまのほうが一枚上手でした。
そしてエンドロールでまさかの「ガメラのマーチ」まで聴けるとは。
つよいぞガメラ つよいぞガメラ つよいぞガ・メ・ラ〜
最後に
今作が発表されたとき、子どもが主人公のストーリーだったためどうなることかと思ったものの予想以上におもしろかったです。
怪獣プロレスをしたいためなのか、子どもがメインのストーリーにしたいためなのかわかりませんが昭和ガメラをストーリーのメインにチョイスしたのが今作の面白さにつながってますね。
現場に子どもがいる・襲われる理由を設定にちゃんと落としていたので、ガメラが子どもの味方と守る理由がちゃんとできていました。
そして現代風にデザインされた怪獣はどれもかっこよく、どのエピソードも戦闘シーンに迫力がありました。特に4話のギロン戦がお気に入り。
それぞれのエピソードごとにちゃんと原作の映画で舞台だったところが使われていたり、戦い方もそれをふまえた過去作品へのオマージュがふんだんに散りばめられたものになっているので過去作品を見ていると余計に楽しめます。
ただ個人的にはガメラは子どもの味方って要素は「平成ガメラシリーズ」くらいの塩梅でちょうどいい気がします。
あとはやっぱり第一弾の予告PVから気になっていたCG丸出しの棒人形のキャラデザインもどうも気になります...
過去のガメラ映画の感想はこちら→
- 監督が描き下ろした小説版。
- 『GAMERA -Rebirth-』本編の10万年前を舞台にしたスピンオフ作品。