1968年に公開された『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』は、昭和ガメラシリーズの第4作目です。
地球を植民地とする目的で宇宙からやって来たバイラス星人が、ガメラを操り地球侵略を目論むストーリー。
Netflixで配信予定の『GAMERA -Rebirth-』の予習も兼ねて昭和ガメラシリーズを見直したので、ネタバレありの感想でも。
ストーリー
ボーイスカウトのキャンプで潜水艇に乗り込んだ正夫とジムは、海中でバイラスの宇宙船が発射した"スーパーキャッチ光線"に捕らえられ人質になってしまう。
救出に向かったガメラだが、体内にコントロール装置を埋め込まれ・・・。
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感想
低予算子ども向け
初っぱな宇宙空間の一連のシーンから続け様に映し出される「ガメラ」の文字は、この後に何が起こるのかとワクワクして観始められたものの、ストーリーが進むにつれそのワクワク感はなくなっていきました。
前作『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』までは大人も見れるストーリーになっていたものの、今作から完全に低予算子ども向け作品にシフトしたガメラ。
バイラス星人が「スパーキャッチ光線」でガメラを捕らえた後、弱点を知るためガメラの記憶を調査する流れで『大怪獣ガメラ』『大怪獣決闘 ガメラ対バラゴン』『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』のシーンを10分以上たっぷりと流す(体感ではもっと長く感じる)ので序盤からかなり眠くなってしまう...
こんなデキで当時はウケたのか?と思いきや、大映が経営不振な中でも次作制作が決定するくらいヒットしたようです。
海辺か宇宙船
低予算ゆえストーリーの舞台は、ほとんどが海辺か宇宙船内でのシーン。
宇宙船内は薄暗くしたりと画面のバリエーションはあるもののセットはずっと同じ。
そんな中でも船員の目が暗がりの中、不気味に光る演出は人間ではない異星人感を感じるいい演出と感じました。
冒頭からガバガバ設定でストーリーが進んでるのでツッコミどころ満載とわかっているものの「自由に振る舞うことは差し支えないが、破壊活動だけは絶対に不可能なのだ」と宇宙船を破壊しようとした子どもにバイラス星人が優しくて笑ってしまう。
そんなバイラス星人のボスが部下の首をはねて正体を表すシーンはなかなかにドキッとしたシーンでした。
ただ、バイラス星人のボスを囚われた生物にミスリードする流れは、ポスターなどでも宇宙怪獣バイラスとして姿が描かれてしまっているので驚きもないし無理がありすぎるでしょ。
甲羅を突き刺す衝撃
ついに始まった終盤でのバイラスとの対決シーンは都市破壊こそないものの、ここぞとばかりにたっぷりと見せてくれます。
陸上で戦ってたかと思えば海中に入り、最後は空中まで舞台を移していく。
バイラスの頭が砂浜に刺さってガメラを放り投げるシーンは笑っちゃうし、その後すぐガメラの腹部の甲羅を何度も突き刺すところは衝撃的!
しかもそのお腹にバイラスが刺さった状態で空を飛べて倒してしまえるガメラが頼もしすぎる。
刺されるたびに、ぴょこぴょこと首と腕が出し入れする様子はトラウマものでしたが。
最後に
バイラスとの対決シーンや低予算ながら頑張ってる宇宙船のシーンもあるなか、冗長に感じる過去のシーンの連続や決してテンポが良いとは言えないストーリーなこともありなかなか素直におもしろいとは言えない作品でした。案外、見返してみると悪くはないんですがね。
『GAMERA -Rebirth-』に備え、ジグラがどんな怪獣か知りたい方はおすすめです。
『GAMERA -Rebirth-』の感想はこちら
→ 【感想】Netflix『GAMERA -Rebirth-』|これが令和のガメラ - Life goes on