1969年に公開された『ガメラ対大悪獣ギロン』は、昭和ガメラシリーズの第5作目です。
前作と同じく低予算なガメラ作品で、ストーリーは前作以上にツッコミどころ満載な内容 (この11年後にもっとぶっ飛んだ作品も出ますが...)。
Netflixで配信予定の『GAMERA -Rebirth-』の予習も含めて昭和ガメラシリーズを見直したので、ネタバレありの感想でも。
ストーリー
裏山に突如現れた円盤に乗り込んだ明夫とトムは、第十惑星の女宇宙人・フローベラとバーベラに捕らえられ、宇宙へと連れ去られてしまう。
宇宙で二人が見たのは、ギャオスとギロンの激闘だった・・・。
マサカリ状の頭から手裏剣を発射するギロン、銀色の羽で飛来する宇宙ギャオス、そしてガメラが三つ巴の大決戦を繰り広げるシリーズ第5作。
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感想
舞台は宇宙へ
1作目『大怪獣ガメラ』ではロケットで宇宙に追いやられ、次作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』冒頭で宇宙から自力で帰ってきたりと、前作『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』では宇宙をパトロール?してたりとなにかと宇宙と関係のあるガメラ。
そんなガメラも今作では地球をついに飛び出し、他天体「惑星テラ」がストーリーのメイン舞台に。
ただ他天体が舞台なものの、荒れた大地と基地がほとんどなので映像的にはそんなに前作と代わり映えしない。
地球に来た宇宙船がなんで無人なのかとか、前作『対バイラス』の内容が語られているのに子ども達がUFOに連れ去られた話を大人は信じなかったりとツッコミどころが満載のストーリー。
宇宙ギャオスとギロン
それでも惑星テラに到着してすぐ現れるギャオスにはびっくり!
色違いとはいえ低予算の中、怪獣が3体も出てくるとは思いも寄りませんでした。
テラ到着直後の怪獣同士の対決では、宇宙ギャオスはギロンの奇抜な戦い方を引き立たせる完全なヤラレ役。
ギロンの飛びかかって頭部で切りつけにいく姿がなんともシュールで気持ち悪いし、頭部側面から手裏剣を発射したりと、その出自が惑星の環境変化で生まれたとは思えないくらい人造感が半端ない。
さらに怪獣なのに四つん這いで尻尾がないところが妙に独特。そして妙に目が印象に残る。
クライマックスで明夫とトムが基地の中にいるのにギロンが徐々に向かってくるシーンは怖すぎました。
ちなみにギロンは「大悪獣」と言われながらストーリー中は終始コントロールされてるだけで大悪獣感はなし。そもそも大悪獣とは...?
脳みそを食べて身体も食料にしたり傷ついた同族は殺すなどバーベラとフローベラのほうがよっぽど悪っぽく見える。
今作のガメラ
ギロンの放つ手裏剣でびっくりしたり、手裏剣が刺さったところを雪で冷やし、飛んでくる手裏剣を岩で弾いたかと思えば鉄棒の大車輪をしたりと妙に人間ぽい今作のガメラ。
最後は真っ二つの宇宙船を火炎噴射で溶接までする手先の器用さでコミカル全開でした。
ちなみにガメラのスーツが今作から変わってますが、甲羅の背中とお腹側が妙に平べったくなって厚みが減り貧弱に見えちゃう。
最後に
ツッコミどころが満載なものの、妙にクセになるバーベラとフローベラの行動やギロンなど独特の魅力もあります。
『GAMERA -Rebirth-』に備え、ギロンがどんな怪獣か知るにはいいんじゃないでしょうか。
それにしても昭和ガメラはなんであんなに着陸が雑なのか。
『GAMERA -Rebirth-』の感想はこちら
→ 【感想】Netflix『GAMERA -Rebirth-』|これが令和のガメラ - Life goes on