2024年4月26日に公開された映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国 (原題: Godzilla x Kong: The New Empire)』
2014年『GODZILLA ゴジラ』から続く「モンスター・ヴァース」シリーズの第5作目。
監督は前作『ゴジラvsコング』から引き続きアダム・ウィンガードが担当。
日本での劇場公開前に世界では4.6億ドル以上の大ヒットを記録していますが、予想通りというか前作で感じた残念なポイントがもうそのまま今作にも引き継がれていました。
もともと『ゴジラvsコング』の続編として『Son of Kong』として企画されていた作品なので、タイトルは「ゴジラ × コング」となっているもののコングが主役でゴジラは脇役くらいの位置付けの作品でした。
初日に劇場に行けたのでネタバレありの感想でも。
ちなみに酷評しているため、気になる方はここで引き返してください。
『ゴジラxコング 新たなる帝国』特報2<4月26日公開> - YouTube
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ストーリー
コングとの決着後、大人しくなっていたゴジラもそのノイズを地上でキャッチしており、異変に備え世界各地のタイタンを倒しながら力を蓄えていた。
一方、イーウィス族唯一の生存者 ジアも地下からのノイズを無自覚にキャッチしており、その影響から幻覚に悩まされていた。
ジアがノイズの影響から無意識に書いた絵が地下で観測された波形と一致。
アイリーンは地下基地との連絡が取れないこともあり、地下世界の調査へ向かうことに。
すると、絶滅したはずのイーウィス族と遭遇。過去に地上と地下に分断された生き残りで、地上のイーウィス族が助けに来ると伝説があることを知らされる。
イーウィス族の神殿から、過去にスカーキングが地上を支配しようとしたところをゴジラに追いやられ、地下世界で力をつけながら地上へ復讐の機会を狙っていることを知ったアイリーン達。
地上にも危険が迫っていることをゴジラに知らせるため、コングは地上世界へと向かう。
感想
前作同様もうアダム・ウィンガード監督の作風が自分に決定的に合わないんでしょうがないんですが、とにかくおもしろくなかったです...
怪獣映画 (各々の怪獣映画の定義もあるでしょうが...)ではなく、単に巨大な生物が延々と殴り合いをしてるだけの作品でした。
これが『ランページ 巨獣大乱闘』の続編で同じような映画だったとしたらまだ楽しめた気もするけど、今作は「モンスター・ヴァース」なわけで...
前作の感想記事はこちら→【感想】ゴジラvsコング|世界的な大ヒットはよかったが... - Life goes on
アンバランスな構図
前作同様「モンスター・ヴァース」で積み上げてきたものは何もなく、アダム・ウィンガード監督が前作後のインタビューで答えていたとおり、人間パートもほとんどなし。
最終決戦が始まるまではひたすらウホウホ言ってる巨大ゴリラとチンパンジーの会話を延々と見させられるアンバランスな状態で、この映画って『猿の惑星』か?と勘違いするような展開 (猿の惑星でももう少しストーリー性がある)。
そんなにコングが主役で作品を撮りたいのなら、いちいちゴジラを出さずに単品で作品を作ればいいのにと思ってしまいますね。
魅力を欠いた新タイタン
今作に登場するタイタンたちはどれもインパクトに欠け、到底ゴジラやコングと肩を並べるような存在でもありませんでした。
新タイタン「シーモ」もただかわいいだけのペット怪獣で、スカーキングにいたっては巨大チンパンジーとしか思えず...
モスラと無重力空間が唯一の救い
唯一の救いは後半に登場するモスラの描かれ方と、無重力の中でゴジラ×コング対スカーキング×シーモが闘うシーンくらいでしょうか。
モスラはその神々しさを遺憾なく発揮して『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』登場時よりももっと守護者としての存在感がありました。
無重力状態の中、浮き上がりながら四方八方飛び交い闘うところなんかは怪獣映画であまり見ないので珍しいシーンになっています。
最後に
予告編でも話題になったダッシュするゴジラとコングなんかは別に許せる範囲なんですが、個人的にはどうもアダム・ウィンガード監督の思い描く怪獣映画と合わないのがつくづく思い知らされたのが今作でした。
個人的には人間がいて怪獣がいるから「怪獣映画」であって、人間がいないならそれはただの巨大生物が動いてるだけの映像になってしまうわけです。
今作も世界的にはヒットしてますので次作以降もまた監督が続投しそうなんで個人的には...