【感想】『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』を見てミニラを見直した話

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1967年12月16日公開の『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』と1969年12月20日公開の『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』

久しぶりに見返すと意外とミニラもわるくないなと思えた作品でした。

この2作品の間には昭和ゴジラシリーズラストになるはずだった作品『怪獣総進撃』があるのですが、今回はミニラがメインのこの2本を鑑賞したためこちらのネタバレありの感想でも。

 

 

怪獣島の決戦 ゴジラの息子

怪獣島の決戦 ゴジラの息子 <東宝Blu-ray名作セレクション>

 

南太平洋の孤島ゾルゲル島で行われていた気象コントロール実験・シャーベット計画が、謎の妨害電波を受け失敗し、島は異常高温に見舞われてしまう。

妨害電波の発信源だった巨大な卵からミニラが誕生し、電波を察知した親ゴジラがゾルゲル島に上陸。

ミニラを狙うカマキラスや、クモンガとの戦いが開始される。

ゴジラ・ストア 作品一覧『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』より

 

感想

以前見てはいたものの、ミニラがゴジラの息子(厳密には同族でゴジラが産んではいない)にしてはブサイクすぎる印象しかなかったので、見返してみたらこれはこれでわるくはないかもと思えた作品でした。

ストーリー前半から終始軽快な音楽で始まる今作、ゾルゲル島でのビジュアルやラフさ加減がゴジラの息子繋がりで後の作品『VSメカゴジラ』でのベビーゴジラや『VSスペースゴジラ』でのバース島パートでふんだんにオマージュが散りばめられていたのを感じました。

 

楠見博士率いるチームがやばい

今作の舞台となるゾルゲル島には「将来の食料危機の対策のために、合成放射能をもちいて気象コントロールする」というとんでも実験のために島に来ている楠見博士率いる研究チーム一行。

その実験も失敗し、放射能の影響でカマキラス誕生!...とゴジラ誕生から何も学んでいない状態。

なんか映画の世界では放射能が全てを解決してくれる万能設定過ぎて笑う、まあその結果で使った側に不利益を被る描き方をしてるからまだましやけど。

そしてチームの1人古川がなぜか早々におかしくなったので、同じく東宝映画の『マタンゴ』であったような何かヤバいモノでも食べたのかと思いきや何もなかったりと、ところどころ気になるところはあるものの、キレキレの楠見博士や安心感抜群な藤崎副隊長、島で父 松宮博士が亡くなってから7年間1人で住んでいたサエコなど印象に残るキャラも多く人間パートも楽しめる内容でした。

 

ミニラのビジュアルがやばい

山からなぜか電波が出ていてカマキラスが感知、その山を崩すと今回の目玉怪獣ミニラの卵が登場。

発見そうそうに孵化したミニラの姿がまたやばい。

可愛さを出そうとしているもののグレーのゴムの塊。

直後にカマキラス3匹に襲われゴジラに助けられると、ゴジラの後を必死に追いかけようとする。

ゴジラの尻尾に捕まり帰っていく姿や少し成長して放射熱線の吐き方など教えられてる様を見ていると、初めはゴムの塊だったミニラもストーリーラスト雪の中で抱き合う姿など可愛く見えてくるのが不思議。

そしてゴジラがミニラの尻尾踏んづけたりとかなりスパルタ教育。

 

クモンガとカマキラスがやばい

そして今作、特撮パートは都市部なしの森の中で行われるもののクモンガとカマキラスの操演がまたすごい。

クモンガは20人近くで動かすかなり大掛かりなもので、その甲斐あって劇中でほんとうに生きているかのようなダイナミックな動きを見せてくれます。

カマキラスも巨大化する前の森に登場したときの不気味さや巨大化してからの飛ぶ姿など見どころ満載。

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ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃

ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 <東宝名作Blu-rayセレクション>

 

鍵っ子で、いじめられっ子の一郎少年は、発明おじさんの作った玩具で遊ぶのが唯一の楽しみ。

その玩具で遊んでいるうちに、夢の怪獣島に誘われるが、そこで一郎のお気に入り怪獣のミニラがガバラにいじめられているのを知る。

だが、ゴジラの特訓を受けたミニラは果敢にもガバラに立ち向かおうとする。

そんなある日、一郎は逃走中の強盗に拉致されてしまうのだが・・・。

ゴジラ・ストア 作品一覧『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』より

 

感想

東宝の営業不振などが理由で前作『怪獣総進撃』で昭和ゴジラシリーズが終了することが一旦決まっていたものの、前作『怪獣総進撃』が前々作『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』よりも観客動員数が増えたことや他作品の不振などが重なり低予算ながら今作が作成されることに。

低予算ゆえの状況を上手く使った演出が光る作品でした。

 

まさかの妄想

今作が異端なのはゴジラ作品でありながら発明おじさん南や取材に来た記者が怪獣を知っていることから、現実同様の怪獣がフィクションとして知られている世界であること。

ゴジラ含め出てくる怪獣は主人公の小学生 一郎の夢の世界で登場するのみでここが一つのポイントに。

一郎の夢であるから作中に一郎と関係のあるガバラ以外は過去作品からの使い回しの映像で語られる。

一見、使い回しの映像ばかりを見せられるので飽きはするのですが、今回見返してみて低予算を逆手に取った上手い演出だったんだなと感心しました。

 

とは言っても...

当時の社会問題「公害問題」「鍵っ子」「児童誘拐」などをテーマにしているようですが前述のようにストーリーの演出は上手いものの現実パート・夢パートとどちらもあまりおもしろくない。

空想なのでかまわないけどミニラがペラペラ喋るし新怪獣ガバラのビジュアルも悪い。

印象に残るのは冒頭からかかる主題歌「怪獣マーチ」ゴーゴーゴジラは放射能〜

 

最後に

『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』はところどころに後の伏線がちゃんと張っていたり(妨害電波の正体や海への通路、クモの巣があちらこちらにあったりと)と大雑把に見えてしっかりとした作りになっておりかなり楽しめる内容になっていました。

打って変わって『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』はなかなか厳しい作品でした。

低予算を逆手に取る演出など光るものはあるもののなかなかにつらい69分でした。