【感想】ゴジラ (1984) <4Kデジタルリマスター版>|新たなゴジラの誕生

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1984年12月15日に公開された『ゴジラ (1984)』(以下84ゴジラ)

ゴジラ生誕30周年を記念して製作されたゴジラシリーズの第16作目です。

2023年10月12日に日本映画専門チャンネルで4Kデジタルリマスター版(2Kダウンコンバート放送)が初放送、視聴したのでネタバレありの感想でも。

 

ゴジラ(1984年度作品) <東宝Blu-ray名作セレクション>

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ストーリー


大黒島噴火の折に消息を絶っていた一隻の漁船が発見された。

船からは放射能の影響で巨大化したフナムシが発見され、ただ一人救助された生存者は巨大な生物を目撃していた。生物学者・林田はゴジラが蘇ったと断定。

原子力発電所を襲ってエネルギーを蓄えたゴジラは、自衛隊の精鋭部隊が待ち構える東京湾に姿を現した。

林田は火山の爆発火口にゴジラを誘導し落とし入れる計画を実行すようとするが・・・。

ゴジラ('84) - YouTube より

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感想

前作『メカゴジラの逆襲』で一旦幕を引いたゴジラシリーズですが9年ぶりに復活したのが今作。

次作『ゴジラVSビオランテ』まで少し期間は空きますが平成ゴジラシリーズ(VSシリーズ)に数えられる一作です。

ストーリー的には第2作〜第15作までの昭和ゴジラシリーズとは繋がらず、第1作『ゴジラ (1954)』からの続編となり1954年以来30年ぶりにゴジラが確認され、初代と同じく人間対ゴジラの物語となっています。

「現代にゴジラが現れたら?」と世界情勢や政治的な背景など後の平成ガメラ3部作や『シン・ゴジラ』に通ずるリアル路線を取り入れた作品です。

 

リアル路線の結果

リアル路線といえど出てくる兵器はオーバーテクノロジーなものが多いですね。

自衛隊が秘密裏に開発していたスーパーXを筆頭にハイパワーレーザービーム車、米ソの核衛星などストーリーを盛り上げるために現実よりも強力な兵器が多数登場します。

ただリアル路線を取り入れた結果、主役であるゴジラがなんとも地味な感じですね。

高層ビルが増えたため、ゴジラを見劣りさせないために今作では初代と比べ身長が50mから80mへと巨大化しているものの、基本的には自発的に街を破壊したり暴れたりはせずに淡々と歩いていくだけ。

なのでゴジラはあくまでも生物と扱っているのに生物感が逆に薄く感じ、鳥と同じように帰巣本能が刺激されて誘導されるという流れが個人的にはどうもしっくりこなかったです。

キャラクターも三田村総理 (小林桂樹)など政府閣僚周りのシーンはいい感じなんですが、新聞記者の牧 (田中健)が主な目線でストーリーは進むもののとくに何もしないし、奥村兄 (宅麻伸)もゴジラを目撃してからは林田博士 (夏木陽介)のおつかいばかりで妹の尚子 (沢口靖子
)にいたっては...

武田鉄矢の出演シーンもなぜか妙に長い割にテンポが悪く、リアル路線の硬派な感じからは浮いてしまってます。ムッシュかまやつの新幹線のシーンも初代オマージュとはわかりますがそもそもいらないんじゃ...

 

 

4Kデジタルリマスター版

事前の予告映像ではパッと見、画質が劇的に向上した印象は受けなかったんですが、冒頭の第五八幡丸のシーンから画質が向上しているのがわかりますね。

今までのふわっとした画質から、かなりパキッとした映像に変わっていました。

船員のミイラやショッキラスは作り物感が余計に伝わるものの、まずショッキラスの毛が妙に目についたこと。

4Kリマスター前だと毛が生えてることにすら気がつかないレベルでボケていたので。

この後のシーンでもゴジラの存在を発表する会見で大勢の記者の顔が一人一人よく分かったり、表情での演技が多い総理ら政府閣僚もリアルさが増していました。

三田村総理はセリフや立ち振舞がいちいちかっこいいですね。

そして「84ゴジラ」といえば目玉はやっぱり超巨大な東京 新宿の特撮セット!

その巨大で精巧な高層ビル群の中を突き進むゴジラの姿は4Kリマスター前にはわからなかった細部のディテールまでよく伝わってくるので個人的に4Kリマスターはかなり楽しめました。

 

最後に

残念なところはあるものの、世界情勢を反映させたストーリーや豪華な特撮セットなど、新たなゴジラを誕生させる意気込みが伝わる見どころのある作品だと思います。

4Kデジタルリマスター版はソフトの発売は今のところ未定なので、視聴する機会がある場合はかなりおすすめです。