2023年11月17日からApple TV+で配信開始された『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ (原題: Monarch: Legacy of Monsters)』
日本では11月3日に『ゴジラ-1.0』が劇場公開されたばかりで、熱も冷めないうちにレジェンダリー版ゴジラの新作ドラマも配信されるとはなんとも贅沢な世の中になったものです。
シーズン 1 全10話を視聴したのでネタバレありの感想でも。
モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ — 公式予告編 | Apple TV+ - YouTube
- ストーリー
- 感想
- 第3話 秘密とウソ | Secrets and Lies
- 第4話 パラレルとインテリア | Parallels and Interiors
- 第5話 出口 | The Way Out
- 第6話 恐ろしい奇跡 | Terrifying Miracles
- 第7話 本物のメイ は ご起立を | Will the Real May Please Stand Up?
- 第8話 生得権 | Birthright
- 第9話 世界軸/アクシス・ムンディ | Axis Mundi
- 第10話 論理を超えて|Beyond Logic
- 最後に
ストーリー
サンフランシスコの街はゴジラとタイタンの戦いによって破壊された。
モンスターが実在するという衝撃の事実が発覚した後の世界を舞台とする『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』では、父親の足跡をたどり、家族と特務機関「モナーク」との関係を探るきょうだい2人の姿を描く。
手がかりを追ってモンスターの世界へと足を踏み入れた2人は、やがて陸軍将校リー・ショウの存在へとたどり着く。
2人は1950年代の出来事と、半世紀を経てショウが知る事実によってモナークが脅威にさらされることになった経緯に迫る。
3世代にわたる激動の物語は、隠されていた秘密を暴き、驚愕の出来事の数々が人々の生活をどう変えていったかを明らかにする
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感想
第1〜2話の感想
「モンスター・ヴァース」の時系列では『GODZILLA ゴジラ (2014)』後の、2015年が舞台。
怪獣がメインと言うよりはSF要素の強い人間ドラマがメインのストーリーになります。
1973年の髑髏島でマザー・ロングレッグスに襲われるなか、ビリーが研究データの入ったファイルを海に流す映像から始まった今作。
ケイト達は2015年の東京、ケイコ達は1950年代 (1話では1959年のカザフスタン、2話では1952年のフィリピン)で各話ごとに年代がバラバラな上に現在と過去へと交互に飛ぶので少しこんがらがるかも。
現在と過去から「モナーク」の謎に迫っていくストーリーで、1・2話の感じでは過去のケイコ達「モナーク」設立のストーリーのほうが怪獣の調査を行っているので面白いですね。
東京の場面で部屋に土足で上がったりするところは気になりますが、アメリカ制作にしては日本の描写がかなり普通の日本として描かれているところは珍しくて驚きました。
いきなりタクシーの運転手で生島ヒロシが出てきたり、新宿にロケットランチャーが配備されてるのには笑いましたがw
ちなみに字幕で視聴することを強くおすすめします。
1度目は日本語吹替で視聴しましたが、ケイト達2015年に出てくる登場人物の吹替が終始やたらと高圧的で見ているコチラがイライラしておもしろさが台無し!
父ヒロシのクズムーヴのせいで問題を抱え、状況的にそうなるのは仕方ないこともわかるんですが字幕で視聴したときのほうが2015年組もだいぶ印象がよかったです。
怪獣のデザイン
やっぱり怪獣のデザインは気になりますね。
第2話で駆逐艦ロートンを巣にしている新怪獣 (イオン・ドラゴン)も完全にクリーチャーで怪獣感がゼロ...
個人的には「モンスターハンター」に出てくる「レイギエナ」に見えてしかたがない。
まあ髑髏島に出てくるモンスターと統一感はあるのかもしれませんが...
そういえば第1話カザフスタンの廃原発で卵から孵った虫 (エンドスウォーマー)は84ゴジラの「ショッキラス」オマージュっぽいのかな?
第3話 秘密とウソ | Secrets and Lies
2015年東京―
ショウは謎を確かめるため、ケイト達と老人ホームから脱走することを提案。
ヒロシが消えたアラスカへ向かうため、ショウの知人がいるという韓国へ一旦向かうことに。
1954年アメリカのとある倉庫―
ケイコ達はインドネシアの湿地帯で見つかった巨大な足跡をパケット将軍へ報告し生態調査のために国防総省の協力を得ようとする。
後日、ウランを使って巨大生物をおびき寄せる作戦のため、ビキニ環礁へ向かうとそこには核爆弾が用意されており...
第3話の感想
1954年のケイコ達のストーリーでは、『GODZILLA ゴジラ (2014)』で少し語られていたビキニ環礁での出来事が描かれました。
ビキニ環礁でセットされた爆弾を覗き込んでるゴジラがちょっとかわいいですw
ケイコ、ビリー、ショウの3人でこのときすでに「モナーク」を名乗ってるみたいでえらくふわっとした感じですね。
1950年代から1973年の間に何があったのか、ビリーが一人だけ尋常じゃないほど老けてるのも気になります。
2015年のケイト達はすんなりアラスカへ。
父ヒロシが仕事で世界を飛び回っていたのは、実はモナークの仕事のせいだったことが判明。
アラスカでも飛行機は墜落せず無事に生きていたようでした。
ケイト達を追いかけていたモナーク職員ティムの場面では、芹沢博士の名前も出てきたので登場を期待してもいいのかな?
そして過去パートだけに新怪獣が出てくるのかと思いきや、現代パートでも登場。
冷気を吐いて相手を凍らせる冷凍怪獣。
口がイソギンチャクみたいなデザインの4足歩行怪獣で、まあなんとも言えないフォルム...
韓国軍人のドゥホもなかなか機転が利くいい人だったのに、なかなかえぐい退場の仕方でちょっとかわいそうでした。
第4話 パラレルとインテリア | Parallels and Interiors
2015年アラスカ―
突如現れたフロストバークに襲われるケイコ達。
なんとか逃げ切れたもののメイが低体温症の危機に陥ってしまう。
ショウが海岸へ向かうと提案する中、ケンタロウが飛行機から見えた建造物らしき場所に向かうと言いはり3人とは別行動をとることに...
第4話の感想
第4話は2015年のストーリーだけで引き伸ばし感が酷かったですね。
最後ティムが出てきて驚いていたのも、モナークの無線を使って助けを呼んだのなら出てくるのは当たり前でしょとしか思わず。しかも何回父親は生きてる!をやるのかと。
ぶっちゃけ2015年のメインキャラに魅力のあるキャラがいない中、興味がわかないキャラの深堀りを延々と見せられるのはなかなかに退屈でした。
ちなみに日本語字幕だとG-Day以前にもガンマ線が今回のように計測された場所があったとだけになっていましたが、吹替と英語字幕だとちゃんと計測された場所も説明されています。
その場所とは『GODZILLA ゴジラ (2014)』でムートーが眠っていた「雀路羅 (じゃんじら)原発事故現場」と「ユッカフラッツ (ユッカマウンテン放射性廃棄物処分場のある地域)」の2箇所。
G-Day後にムートー級のタイタンが出てくる前兆ならモナークが焦るのも仕方ない状況ですね。
第5話 出口 | The Way Out
2015年アラスカー
なんとかフロストバークから逃れられたのも束の間、モナーク指揮所に監禁されるケイト達4人。
ケイト、ケンタロウ、メイの3人はファイルについては何も知らないと考えたものの、父親のことを諦めないと踏んだモナークは3人を泳がせることに。
一方、ショウはヴェルデューゴ副長官からの尋問が続く...
第5話の感想
今回はケイトの深掘り回でした。
サンフランシスコにある父ヒロシの仕事部屋から次の目的地と思しき場所を発見した第5話。
『KOM』以降描かれなかったG-Dayが人類に与えた様子が描かれるのは『モナーク』ならではですね。
急に出てきた「タンスにゴン」と「ポリンキー」は笑いましたが、立ち入り禁止区域に潜入してる割に不用意に大声で歌ったり懐中電灯をつけてるのが気になりすぎます。
ショウは50年代に失敗した任務の影響で現在年齢が90才を超えてるにも関わらず元気な様子。
モナーク結成は40年代で、徐々に現在のような秘密主義な組織になっていったようですがケイコ達に何があったんでしょうか。
現在の「モナーク」が事実として知りたくない「ファイル」の情報も謎が深まるばかりです。
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第6話 恐ろしい奇跡 | Terrifying Miracles
1955年ワシントンDC―
軍の舞踏会に参加しているショウとケイコ。
2人が距離を縮めるなか、ランダから連絡が入りフィリピンで船を見つけたときと同様の反応が日本で観測されたことを知らされる...
2015年アラスカ―
モナークの基地からどこかへ移送されるショウだったが、デュバルが助けに入りモナークから逃走することに成功する。
デュバルはジャンジラ原発事故で姉を亡くしており自分も真実が知りたいと告げる。
ケイト達の前に現れたショウはヒロシの目的地を尋ねアルジェリアへ向かう。
一方、ヴェルデューゴ副長官とティムはケイト達の携帯電話の電波を探知してサンフランシスコのヒロシのオフィスにいた...
第6話の感想
第4・5話で停滞していたストーリーもようやく動き出し、第3話以来やっとゴジラもお目見え。
「モナーク」がおかしくなっていく原因が明かされた第6話でした。
1955年ケイコ達のストーリーでは、「モナーク」が3人の手から離れていったのはショウが予算会議そっちのけで日本に向かってしまったことで、パケット将軍が組織の指揮権をショウから海軍に移管したことが原因だったことが判明。
ゴジラの再出現と合わせてここから全く別の組織へと変わっていったのは言うまでもなくですね。
ケイコはビリーと結婚することがわかっていたものの、第1話の会話から過去にショウとも関係があったことが匂わされていたのでまだ2人の間が進展するストーリーになるんでしょうか?
そして、まさか1955年でもう一度日本が舞台になるとは思いませんでした。
スズキ博士がいた怪獣島こと波照間島が完全にJAPANになってて第1・2話の丁寧な日本の描写はいったいどこへと思いましたが、第6話はストーリーの折り返しでもあり第1話と同じくストーリーが動く舞台が日本にしてあるのはドラマスタッフのゴジラへのリスペクトを感じます。(ちなみにロケ地は海外だと思いますが波照間島は実際に沖縄県にある日本最南端の有人島です)
実験で倒されたと思っていたゴジラが1955年に再出現するのは『ゴジラの逆襲 (1955)』のオマージュっぽいですね。
2015年ケイト達のストーリーでは、「モナーク」から離反者が出たりヒロシが登場するなど、ようやくストーリーが動きそうな気配が出てきました。
きちんと写っていないことからまだ出てくるかもしれませんが、第1話から「ファイル」に興味を持っていたティムがあっけなく退場。
ゴジラが起き上がってきてるのにその場を動かないヘリってモナークスタッフは危機感が足りないのでは...?
そして、もう少し焦らすのかと思いきやついに登場したヒロシ。
1955年にスズキ博士が開発した「ガンマ放射線シュミレーター」と同じような装置で怪獣を呼ぼうとしたよう。
ゴジラが出現しそうになるとケイト達から遠ざけるためか装置を乗せてどこかへと走り去っていきました。
基本的にゴジラは海から現れるので地中から出現するのは『モスラ対ゴジラ (1964)』以来で珍しい登場の仕方。
ラストでは再びメイといざこざが始まりなんだか微妙な雰囲気で第6話は終わり。
ほんと2015年パートはこんなに暗いストーリーにする必要があったんだろうか...
残すところあと4話。
第7話のタイトルは『本物のメイ は どうぞご起立を』と、ここにきてメイの深堀り回とヒロシの行方を追うストーリーみたいなので1950年代ケイコ達の出番はあってもあまり多くはなさそうですね。
第7話 本物のメイ は ご起立を | Will the Real May Please Stand Up?
2015年アルジェリア―
ケンタロウと父の行動について話すケイト。
途中トイレに行ったメイの帰りが遅いことが気になり確認しに行くとメイが着ていた上着だけが残されトイレに姿がなかった。
ケイトはメイがモナークに拐われたと思い、空港に現れたティムを問いただす...
第7話の感想
結局1話まるまるメイの深堀り回でした。
あまり「モンスター・ヴァース」に関係のないストーリーになるのかと思いきや、メイが勤めていた企業「AET」が『ゴジラVSコング』にも繋がる重要なバックボーンを持った会社であることが明かされました。
「モナーク」がサハラ砂漠に緊急出動したことを知っていたり、怪獣警報が発令された場合の手順を知っていたりと「AET」が「モナーク」の情報を深く知れる立場にある会社だということがわかります。
メイがクラッシュさせて「AET」に追われる原因となった研究「サイバネティック・ニューロ・インターフェース」とは、ゴジラや他怪獣の歩行のさいの神経組織のメカニズムを解明・活用し、歩けない人を歩けるようにできたりもできる研究だったよう。
この技術が『ゴジラVSコング』で登場したメカゴジラにも繋がっていることが伺いしれますね。
そしてメカゴジラを開発した謎の企業「エイペックス・サイバネティクス」とCEOウォルターの名前も登場。
メイがウォルターを知っていたり、ウォルターとブレンダの会話や「サイバネティック・ニューロ・インターフェース」の件から「AET」と「エイペックス・サイバネティクス」は相当関係が深そうです。
一方、ショウはアラスカで前哨基地から奪った爆弾でガンマ線が放出されている穴をふさぐことに成功。
あんな雑な方法でふさげるなら「モナーク」でもさっさとできたんじゃ?と思ってしまうので、次話以降でふさいだ弊害がなにか明かされるのでしょうか。
それにしても今回のショウやヴェルデューゴ副長官、生存していたティムといい各話事に急にキャラ変するのでストーリーが唐突に感じて疑問がわきますね...
第8話 生得権 | Birthright
1955年ワシントンDC―
報告をまともに取り合わないハッチ少佐やパケット将軍にモナークの必要性を納得させるため、ショウはケイコとビリーに怪獣の巣などを記した地図を作成することを提案する...
2015年モナーク事務所―
ショウがアラスカで起こした大規模な爆発の影響でアラスカでのガンマ線の放射は無くなったものの、他の地点でのガンマ線の放出が増加した。
これ以上ショウが事を起こすとG-Dayの再来が起きる危険性があるため、ケイト達はショウの目的地を探すことに...
第8話の感想
やーーーーーっと面白くなってきました!
ここまでくるのが本当に長かった...
今まで起こっていたことが繋がり、過去と現在のストーリーが交差し始めた第8話。
第1話のことで忘れている人もいるかも知れませんが、カザフスタンの廃原発でケイコがエンドスウォーマーと一緒に穴に落ちていきその後は謎になっていました。
まさかその後の消息がそのまま不明で死亡扱いになっていたとは...
第5話の中でショウが90歳を超えているのに元気なのはミッションの失敗の影響でと言っていたのはこのときに地下世界に行ったからっぽいですね。
ただこの地下世界、『ゴジラVSコング』で ネイサン達が到達するまでは重力の影響などで何度か失敗していたと語られていたので、ケイト達は生身で行けるのか?と疑問が出てきます。
さらに地下世界に行ったというショウは帰ってきているのにケイコがいないのはどうしてか?と謎が謎を呼ぶ展開。
そしてケイコとショウの恋の行方は、ケイコがビリーと接近していくなかでショウがそっと身を引いた模様。
ヒロシもビリーとの間の子ではなく、ケイコの連れ子だったりと謎だった部分も徐々に明かされていてラストに向かって大きく動き出したのがわかりますね。
てか最後あの近距離でセットした爆弾が爆発してたらケンタロウもただではすまないんじゃ...?
第9話 世界軸/アクシス・ムンディ | Axis Mundi
1962年カンザス州モナーク試験所―
ショウは地下世界の探索のため砂時計(アワーグラス)作戦に参加する。
実験の手順通りガンマ線シミュレーターで怪獣をおびき寄せ無事に探索ポッドが出発したのも束の間、突如トンネルの磁場が不安定になり実験は失敗する...
2015年東京―
ケンタロウは東京の病院で目を覚ました。
ヴェルデューゴ副長官から、ショウが起こした爆発により建物が崩壊しケイト、メイ、ショウが亡くなったと聞かされる。
そのことに納得ができないケンタロウは、ヒロシの東京の仕事場で何か手がかりがないかを探していると...
第9話の感想
地下世界の一端が明かされラストにはまさかの人物まで登場した第9話。
てっきりショウが地下世界に行ったのはケイコを助けるためかと思いきや偵察任務の実験でした。
なんとか地下世界にたどり着いたものの、到着時に一人、任務を開始するとまた一人とショウ以外は次々に倒れ偵察部隊は全滅。
イオン・ドラゴンが開けたワープホールに吸い込まれる形でショウはたまたま地上に戻ってこれましたがほんとにただの偶然でしたね。
ショウが発見されたのは東出雲の神社のある森のなか。劇中ではその場所はあの世とこの世を隔つ境界線の場所だと説明されていました。
この「モンスター・ヴァース」の世界だと実は世界各地で起こる神隠しや失踪事件なんかも地下世界に迷い込んでしまったんじゃないかと思わせるセリフですね。
そして地上世界から地下世界にたどり着くために怪獣と一緒にトンネルを通ると、トンネル内が安定してたどり着けることが明らかになりました。
『ゴジラVSコング』で地下世界にネイサン達がたどり着けた状況と今作でケイコやケイト達が無事にたどり着けたことも一応矛盾がないような設定。
ただ「モンスター・ヴァース」では「地球に空洞があり、その中に地下世界がある」と語られているもののワープホールを通ってたどり着く一種の異次元世界になっているので『ゴジラVSコング』終盤のゴジラの熱戦で香港と繋がるシーンがますます謎に感じます。
まあゴジラの熱戦の力でワープホールを無理やりこじ開けたと解釈すればいいのか...
ケイコやショウ、ビリーと周りの大人達が次々に約束を守れず帰ってこなくなったことを考えるとヒロシのクズムーブも少し納得。
東京のヒロシの仕事場にケンタロウがいるとき、普通にヒロシがナチュラルに現れたのは笑ってしまいました。あまりに自然に部屋に現れたのでてっきり過去の回想か幻かと...
しかもこの期に及んできちんと会話もせず怒るだけのクズムーブっぷりは健在なんでなかなか。
そしてショウの若さの秘密や地下世界からメッセージが発信されているときたので、まさかとは思いましたがラストにケイコも登場。
森の中で祟神チックなイノシシ怪獣を弓矢で撃退!と『もののけ姫』オマージュを感じさせる登場の仕方でした。
第10話 論理を超えて|Beyond Logic
世界軸 (アクシス・ムンディ)―
間一髪のところを助けられたケイト。
ケイコはケイトがモナークの救助隊ではないことに気付き何者かと尋ねていると、そこへケイトを探していたショウとメイが現れる。
ケイコは数週間の出来事だと思っていたことが地上ではとてつもない年月が過ぎていることをショウから告げられる...
2015年―
東京でケンタロウから今まで起こった出来事を聞かされたヒロシ。
人類を怪獣の脅威から守るため、ケンタロウにも自身の研究への協力を伝えるヒロシだったが断られる。
特務機関「モナーク」ではトンネルから発信されているメッセージを解読すれば怪獣の脅威にも対処できる可能性が出てくるとティムがヴェルデューゴ副長官に訴えるも...
第10話の感想
ショウやヒロシと再会するケイコ、ゴジラとイオン・ドラゴンの対決などシーズン最終話だけに見どころは満載ではあったもののストーリー序盤からの謎はほとんど解決せずに終わってしまったシーズンラストの第10話でした。
ケイコが出てくるシーンはどれもよかったですね〜
穴に落ちてから地上では56年経っていることやビリーのその後、ヒロシとの再会などこれまで積み上げてきたものがあったからこそのシーンになっていて感動しました。
ケイコからあなたって何なの?と聞かれ、寂しい顔をして答えられず黙ってしまうショウがまた悲しい...
ケイコが救助メッセージの発信に使ったガンマ線シミュレーターは、1962年に砂時計作戦で地下世界に来たときの物を使っていたよう。 (ポットの着陸地点傍から無くなっているため)
「モナーク」のポットとシミュレーターがあったから救助に動いてくれてると思ってケイトと出会ったときにモナークの人間か聞いていたってことでいいんでしょうか?
そのわりにポットの存在も知らなさそうで、ショウが一度来たと言ったら驚いていたんでこの辺謎ですね。
当初から謎だったヒロシの目的は「怪獣世界と地上世界を繋ぐネットワークの存在 = 両親が正しかったこと」を証明したかったから亀裂を開けようとしたようです。
ただそんなことを言ってるわりに地下から帰ってきたショウを信用せずに老人ホームに軟禁したりとわけのわからないことばかりしますね。
人類を助けたいと言ってケンタロウを誘うわりにティムと頼りにきたら切れ散らかしてまともに話も聞こうともせず、散々第1話から引っ張った重婚していた理由もただ好きになったからだけっていう...
結局ヒロシは家族のあり方を知らずに育ったからこうなったわけですが、それにしてももう少し納得感がほしかったところ。
そもそもその重婚設定がストーリーに悪くしか作用していないので、ラストまで引っ張たのがほんとに謎すぎる... てか生きてるならそもそも連絡くらいせーよと。
そしてケイコ達がいる場所が前回9話のタイトルにもなっていた「世界軸 (アクシス・ムンディ)」と呼ばれる場所だと判明。
地上世界の延長の場所で怪獣世界と混じり合う地点になっているようです。
時間の流れが地上世界と違うのはこの場所が完全に地下世界というわけでもないからみたいですね。
『ゴジラvsコング』では地上世界にリアルタイムでデータを送信していた状況をみるに怪獣世界までちゃんとたどり着くと時間の流れもさほど影響はなさそうに見えます。
世界軸からの脱出時には第6話ぶりにゴジラも登場!短いながら怪獣同士の対決シーンも見られました。
イオン・ドラゴンはゴジラにいきなり噛みついたり、気持ち悪い液体を吹きかけたりとなかなか攻撃的。
ゴジラの熱線を近距離で受けたにも関わらず耐えていたりと見た目よりは遥かに強かったですね。
のっそり現れちょこっとワープホールから頭を出すゴジラがかわいかったです。
ラストは謎だけが増えていく展開で、第7話に出てきたIT企業「AET」のブレンダも登場。
ケンタロウ達がブレンダに協力を要請したようですがじわじわ『ゴジラvsコング』に繋がる流れが感じられます。
ポットが出てきた場所も「APEX髑髏島研究所」であったりと、ケイト達が地上世界に帰ってくる間に色々な変化が起きているようです (コングがいるのによくあんな研究所を髑髏島に作れたなっていうのが気になってしかたない)。
最後のワープ空間の移動中、途中で二股に分かれ左側の方に逸れて今回は出てきましたが、右側の方はゴジラが通ってきた道でそっちだとまた年代が変わって出てきてたのか気になります。
最後に
「モンスター・ヴァース」の世界観を補完する作品としては十分楽しめた今作。
ただ1950年代ケイコ達モナーク設立の過去パートはストーリーやキャラクターも魅力がありおもしろいのですが、2015年ケイト達の現代パートのストーリーが暗めでイライラするキャラクターばかりでかなり見る人を選ぶ作品になってしまっている印象です。
ケイト達が帰ってくるまでの2年間に何が起きたのかや、モナークのその後などまだまだわからないことも多いのでぜひシーズン2をお願いしたいですね。
とりあえず4月には『コジラ×コング 新たなる帝国』の公開も控えているのでそちらも楽しみです。
『ゴジラxコング 新たなる帝国』日本版予告<4月26日公開> - YouTube
- 「モンスター・ヴァース」の始まり。2014年に起こったG-Dayを描く。
- 「モンスター・ヴァース」第2作目、1973年の髑髏島が舞台。ビリー (ビル・ランダ)が登場。
- 「モンスター・ヴァース」第3作目、2019年が舞台。ゴジラとキングギドラの対決を描く。
- 「モンスター・ヴァース」第4作目、2024年が舞台。コングがメインのストーリー。地下世界がガッツリ登場。