【感想】名探偵コナン 黒鉄の魚影|黒の組織がいつになく組織っぽい!

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2023年4月14日公開、劇場版『名探偵コナン』シリーズ26作目『名探偵コナン 黒鉄の魚影 (くろがねのサブマリン)』

今作は2018年公開『名探偵コナン ゼロの執行人』と同じ、監督 立川譲と脚本 櫻井武晴のコンビ。

舞台は海の中と地味になるかと思いきや、しっかりとした脚本と演出でかなり楽しめました。

劇場に行ってきたのでネタバレありの感想でも。

 

小学館ジュニア文庫 名探偵コナン 黒鉄の魚影 劇場版 名探偵コナン

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ストーリー

日本 八丈島近海にインターポールの施設「パシフィック・ブイ」が建設された。
八丈島を訪れていたコナン達がホエールウォッチングへ向かう途中、コナンは警視庁の船に黒田管理官と白鳥警部が乗っているのに気付きこっそりと乗船、なんとか同行を許される。
ドイツにある「ユーロポールネットワークセンター」と回線を繋ぎ「パシフィック・ブイ」が本格始動するその時、職員の1人が何者かに連れ去られる。
異変に気づき監視カメラを確認すると職員を連れ去った犯人は黒の組織 バーボンとベルモットだったことがわかる。
連れ去られた職員 直美の所持品に隠されたUSBメモリを確認すると「老若認証」のテスト画像が保存されており、そこに写っていたのは大人のシェリーと灰原の姿であった。
そしてテスト画像には老若認証一致の文字が...

 

感想

灰原と黒の組織がメインのストーリーになっている今作。

事態が事態なだけにいつになく感情的になるコナンや阿笠博士、蘭の姿が印象的でした。

今まで劇場版にはあまり縁のなかったキールも冒頭から登場し、潜水艦内での展開などかなりのキーパーソンになっていました。

 

灰原哀の過去

今作、特に印象的だったのは灰原哀のこれまであまり語られることのなかった幼少期のバックグラウンドが描かれたことです。

原作でも一部のエピソードで触れられることはあるものの、灰原がコナンのストーリーの核心に近い存在であるため、ここまでコナンに対する内面や幼少期のバックグラウンドはあまり深く描かれてこなかったため、今回の作品での詳細な描写にはびっくりしました。

 

コナンと灰原

原作初期でこそ新一・蘭との三角関係を匂わせることはあったものの、あっちはカップルになっちゃてるし個人的には恋愛感情を超えてお互いを助け合える相棒感が好きなので、今作は最高でした。

それにしても予告を見た限りだと、あんなガッツリ黒の組織に灰原が誘拐されるとは思ってなかったです。

 

いつもよりダークな黒の組織

黒の組織もメンバーが増えるにつれ、ぞろぞろと固まって行動するただの黒尽くめな不審者集団なことが多くなっていたけど、今作ではちゃんと各々のポジションで活動していて、ちゃんとした組織っぽさが出ていた作品でした。

 

特にウォッカはジンから灰原を拉致するように指示されると、他のメンバーが任務以外には関与しないなか、いつになくノリノリで笑ってしまった。

ただ、いつもはぬけているウォッカも今回ばかりは灰原誘拐や直美への対応など、黒の組織の恐ろしい一面を存分に発揮していました。

 

キールはジンに狙撃され負傷しながらも、灰原に脱出の方法を伝えたり(いつもながらウォッカがペラペラ喋るw)、魚雷管から脱出しようとする時のジンへの対応などいつになく活躍。

ウォッカが直美へ父を使い脅すシーンはキール自身に起こった悲劇と合わせこちらも怒りが湧いてくるようで潜入捜査のキールの立場の辛さを感じました。

 

今回もなにかと暗躍していたベルモット。

老若認証が自身とボスに及ぶ危険性をボスに報告し、システムが誤認証を起こす欠陥品だとラム達に勘違いさせたりと、組織内での複雑な駆け引きがうかがえる展開になっています。

ラムは直接会えていないボスを探すために今回老若認証を手に入れようとしたみたいですが、そのことはのちのち原作でも語られるんでしょう。

 

そしての今作オリジナルキャラのピンガ。

『漆黒の追跡者』で新一を追っていたアイリッシュと対比するかのような色白細身のキャラで、コナンに煽られ怒る様は小物感がよく出ていて最後まで悪役然とした振る舞いだったものの活躍としては少し物足りない活躍に。

お披露目の灰原誘拐の流れでは、蘭と格闘戦になるものの傷を負い、組織内では優秀なハッカーの存在であろうことはわかるけど『純黒の悪夢』で登場した同じラムの側近だったキュラソーと比べても組織内の格下感が際立ってしまう。

そして、ちょこちょこ明確に死が描かれてないとか書いてる人がいるけど、あの大きさの潜水艦を爆破する爆発の至近距離にいれば確実に死んでるでしょ。

そんなこといいだしたらキュラソーすら生きてることになちゃう。

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シェリーの発見

今回、灰原が黒の組織に見つかったのはあくまで偶然の産物みたいな流れでストーリーは進んだけど、ベルモットは初めから灰原を助けるために動いてたように感じましたね。

そもそも直美のUSBメモリをわざわざ見つけ、その中の画像を発見し灰原をピンチに追い込む一方で誘拐は自然に断り、ラムたちの目から離れたところで行動したりしていましたし、冒頭で灰原がブローチを譲った着物のおばあさんが実はベルモットの変装だったことがラストシーンで明かされたりと、ベルモットはユーロポールネットワークに侵入して得たデータの中から何か気付いていたんじゃないかなと個人的には思いました。

 

エンディングの流れ

前作から作り方が変わり、『緋色の弾丸』まではだいたい「大きい山場」→「エンディング」の流れだったのに対し、前作『ハロウィンの花嫁』から「大きい山場」→「小さい山場」→「エンディング」の流れになっているため、爽快感が減って映画を見終えたときに少し物足りなさを感じてしまう。

個人的には、最近の作品の中では『紺青の拳』のマリーナベイサンズ爆破が大きな山場での爽快感とぶっ飛び具合が1番好きですね(『緋色の弾丸』のリニアモーターカー全損もなかなか捨てがたいが)。

そして今回も「キミがいれば」が流れたので、音楽が菅野さんに変わってこれからは流していく感じなのかな?

 

最後に

パンフレットにもあったように、今回のストーリーは監督・脚本・青山先生で決めていったようで、かなり原作にも影響しそうな内容で楽しめました。

来年は平次とキッドがメインのストーリーで、また盛り上がりそうですね。

ちなみに、今後の30作目までのストーリーのメインキャラはすでに決めてあるみたいなんで楽しみにしときます。

近年興行収入100億円を目指すのが先行しすぎてるのが気になるところ。(ヒットするに越したことはないんですが...)

あと、インターポールが日本であんな施設作れるのかという点には疑問がありますね(笑)