2023年8月25日に日本で公開された映画『MEG ザ・モンスターズ2 (原題: Meg 2: The Trench)』
前作が思いのほかヒットしたため制作された続編ですが、中盤以降の緊迫感に欠ける展開とコメディ要素でなんとも微妙な作品に。
サブスクでの配信も開始したので視聴、ネタバレありの感想でも。
ストーリー
海の恐怖は、MEGだけではなかった。
太陽の光が全く届かない、暗闇の世界「マリアナ海溝」。潜水レスキューのプロ、ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は研究チームと共に“人類未踏の地”へ。
しかし、地球上で最も深い場所で彼らはある“恐怖”を目覚めさせてしまう。
生態系の頂点に君臨する絶滅したはずの最恐巨大サメ“MEG”。
未曾有の大きさと獰猛さで襲い来るMEGの群れ。
そして未知の巨大生物たちー!
深海からビーチまで襲来する絶体絶命の危機に、彼らはどう立ち向かうのか⁉
prime video MEG ザ・モンスターズ2 より
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感想
1作目『MEG ザ・モンスター』は、B級映画やサメ映画あるあるなんかも踏まえて作られていたので、楽しめるところもあった作品でした。
...が、今作はそんな前作にあったような楽しさが失われておりなんとも微妙な作品に。
緊迫感のある展開から一転
ストーリーは深海→海上→陸地と場所を変えながらかなりテンポよく進んでいくんですが、中盤から大味すぎ&緊迫感がないシーンの連続で失速していきましたね。
ジョナス達が深海の未知のエリアを調査中に謎の施設を発見。
その直後に突然の地すべりに巻き込まれ事態が急変、調査船が壊れたため歩いて謎の施設へ向かうことに...
っていう流れで始まる前半で、未知の生物に襲われたり施設内でも一悶着あったりと深海を舞台にした緊迫感もあり結構海洋パニック映画っぽくておもしろかったです。
ただ中盤からはマックとDJが映っているシーンは基本ボケてばかりで進み、挙句の果てにはジウミンまでそっちによっていくので、前半まであった緊迫感もなくなってストーリーもそっちのけに...
存在感の薄いMEGと新登場の巨大ダコ
そもそも中盤以降はMEGの存在感もなさすぎてなんだかな〜って感じですね。
ジョナスを襲おうとしますが全く相手になってませんし、せっかくの見せ場である巨大ダコとの対決シーンも、海中だけで終わり巨大さを活かせずもったいなさすぎました。
今作でせっかく新登場したその巨大ダコも同じで、ずっと海中にいるだけで基本的には移動せずなので迫力もあまり...
監督は怪獣映画の影響も受けているようですが、怪獣映画としてもちょっと残念でしたね。
中盤以降展開をバカバカしくするならもっと陸まで上がって暴れまわってほしかったところ。
前半にも疑問が残るシーンも
ただ前半もおもしろかったと言ってもかなり引っかかるところも。
ステーション内で閉じ込められ、施設の内側からドアを開けるためジョナスが一旦施設外に出ようとするシーンでは、装備を何もつけずに出ていこうとするので疑問に思っていると「空気がだめなの!副鼻腔に水を入れれば大丈夫!」と説明し始めたのには困惑。
いや空気以前にここは深海では...?てかステーションに入るときに仲間が一人水圧で死んでますけど...??と疑問しかわかずでしたね。
極め付けは前半から出てくるよくわからん恐竜みたいなやつの存在。
ずっと深海にいるはずなのに何故かバリバリ四足歩行。
後半でも突然陸地に現れるんですが、ただただストーリー的に都合が良すぎる存在で冷めましたね。
せめてあの深海の未知のエリアは異空間で、冬眠していたところを起こされたから襲ってきたくらいならまだ許せるんですが...
もうそこまでするなら冒頭の映像通りにティラノサウルスも出せばよかったのにと思ってしまいました。
中国映画の影響?
1作目もサメ映画あるあるな場面でタイミングをわざと外して笑いにするようなシーンがあったんですが、今作ではリガスが死んだ兵士からお金を盗むシーンや無駄にヘリでのアクションシーンがあったりと中国ウケを狙った演出なのかな?と思うところがところどころありましたがどうなんでしょう...
最後に
前半の深海の謎めいた雰囲気と緊迫感のある展開は魅力的でしたが、中盤以降のコメディ要素や緊迫感のなさにより全体としては微妙な作品に感じてしまいました。
せっかく登場した巨大ダコや恐竜のような新しい生物も、迫力や意外性に欠けていたため怪獣映画としても中途半端な印象です。
これから観る方は、期待せずに軽い気持ちで楽しむことをお勧めしますね。