2022年9月30日に公開された『“それ”がいる森』
今作は、田舎町で一人暮らしをする田中淳一と彼の息子 一也が、得体の知れない怪現象に巻き込まれていく様子を描いています。
相葉雅紀 主演で中田秀夫 監督による一応ジャンルはホラー映画なのですが...
WOWOWで視聴したためネタバレありの感想でも。
ストーリー
田舎町でひとり農家を営む田中淳一 (相葉雅紀)は、元妻 爽子 (江口のりこ)と東京で暮らす小学生の息子の一也 (上原剣心)が、突然ひとりで訪ねて来たのをきっかけに、しばらく一緒に暮らすことになる。
ちょうどその頃から、近くの森では不可解な怪奇現象が立て続けに発生し、淳一が住む町でも、住民の不審死や失踪事件が相次いでいた──。
そんな矢先、淳一と一也も偶然得体の知れない“それ”を目撃してしまう。「“それ”の正体とはいったい──!?」
淳一は一也の担任教師の絵里 (松本穂香)とともに、怪奇現象に巻き込まれていくが、それは未知なる恐怖の始まりにすぎなかった──。
Prime Video “それ”がいる森 より
Sponsored Links
感想
率直に言うとホラー映画として “それ” の正体を期待して観てしまうと、かなりがっかりする作品になっていましたね...
“それ” の正体
冒頭からいきなり “それ” に襲われるシーンから始まり、その映像表現からピンとくる人には正体がすぐわかるようになっていました。
正体を引っ張ってストーリーを進めていくのかと思いきや、わりかし早めに正体判明。
ビニールハウスで遭遇したり、山道の運転中に道路で遭遇したりとUMAあるある的なのも入れつつ、 “それ” の正体はポンポン姿を見せてくるグレイタイプの宇宙人でした。
どんだけオレンジ好きやねん!とツッコンでしまいそうになりますが、冒頭から出ていたオレンジの病気を伏線にしてるのは良かったんじゃないでしょうか(まるっきり宇宙戦争ですが)。
終盤、学校に来るまでは俊敏に動いてるのに校庭に入ってきて姿が映ると、なぜか猛烈に移動スピードが遅くなり、歩いてると思ったらシュババババっと動き出すのは笑ってしまいました。
そして宇宙人といえばUFOなんですが、このUFOがまたコントのセット!ハリボテ感丸出し。
設定としてはストーリー中にたびたび場所移動してたみたいですが、移動するたびにあんだけ光り輝いて空飛んでたら目撃者が多数いてて話が出そうな気も。
ラストでUFOからシグナルが出て、飛び立っていましたが全員乗れたんだろうか...
そもそも雑すぎる
そもそもこの作品、キャラクターと設定がとにかく雑すぎてそこばかりが気になりました。
予告編でもそうであったように、強盗の二人の死因も胸を刺されて死んでるのにクマに襲われただの、女の子がいなくなった家の庭の足跡も明らかにクマじゃないのにクマクマ言ったりと、とにかくクマクマクマクマ。
とにかくクマへのミスリード前提がストーリーをおかしくしてる気しかしない。
他のところも、純一の家にちょっとだけ居るような話だったのにすぐ転校してきたり、殺人現場の近くにあった丸い焦げ後もYouTuberの仕業だと決めつけたり、なぜ二晩連続で同じオレンジのビニールハウスに現れてるの?? とか子どもだけを学校にずーっと待機させて、親はなぜかいなかったりとツッコまざるおえない状況ばかりが続いていく。
キャラクターでは主人公である一也がストーリー中ダダをこねてるだけに見えるし、ラストもふわっとしてるため成長物語にしても爽快感もなし。
警察はご都合重視のよくある無能パターンで、小学校教頭も酷くデフォルメされた嫌味なキャラクター。
終始ツッコミどころ満載な展開から気が抜けるものの、襲われた子ども達は普通に死んでるシビアさで、こんだけコミカルにやるなら助かってても良かったんじゃないのと思ってしまう。
最後に
書いてるとツッコミ満載な作品でしたが全体のストーリーのテンポは良かったので、 “それ” の正体を期待せず観れば笑って楽しめる作品だったんじゃないでしょうか。
同じ中田秀夫 監督の『事故物件 恐い間取り』もそうだったんですが、ストーリー終盤にかけて笑かしにくる展開はなぜなんでしょうか?